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第7章:その他

第2節:オサム記

第8話:色覚

新解釈の古事記


人の色覚、という、色を認識する器官が有る。

それはヒトではたいてい3色型色覚と言って、
赤・緑・青、の独立した色情報を伝える組織があって、
光の波長に拠って「色」を認識している。

カラーコードも、RGBの組み合わせに変換している。

例:
カラーコード:
#f5f5f5

RGB:
R255 G255 B255


どの色も、「光の三原色」であるRed、Green、Blue、の
R、G、B、の数値の組み合わせで色が決まる。
動物によっては、この3色型色覚が、2色型色覚だったりする。

犬や猫の視界は人間の視界でいうところの「カラーの世界」ではなく「モノクロの世界」だと言われているが、
これは2色型色覚だからと思われる。


さて、、一般にはヒトは「3色型色覚」と言われているのだが...

稀に 赤・緑・青 という光感知組織だけでなく
新たにもう一色存在していて、
R・G・B・(+α)で色を認知している4色型色覚、という能力を持った人がいると言われている。

前に言った、準超能力に近い能力かもしれない。

色がたくさん見えている世界はどのようなものなのだろう…


その逆で、生まれ付き色覚異常で、2色型色覚に近い人というのも存在する。
レベルの差があるが、恐らくだが極端なものだと、
(分かりやすく言えば)白黒の世界のように見える色覚を持った人である。

色が少ない世界で生きている人は、色の誤差が通常よりも少ないため、
動体視力が発達しそうなイメージがする。


さて、この「色」についてだが
とても美しい「色」があったとする。或いは、色とりどりの風景があったとする。
綺麗な絵画、綺麗な色合い―… 「キレイだなァ…」と思った時、
果たして本当にその色は綺麗なのだろうか?

その色を自動的に理路整然と、「きれい」だと認識出来ているあなたの能力の問題なのでは。

2色型色覚の人から見ると、ごく普通で、むしろ濁っていて良く分からない色合いかもしれない。


3色型色覚の人から見ると「普通…じゃないの?」と思えるものでも、
4色型色覚の人からすると、ため息が漏れてしまう程美しいものに見えるかもしれない。

誰かの言葉で、
「美しいものを、美しいものと思えるあなたの心が美しい」という名言がある。

美しさというものは能動的なものではなく、
受動的なものだとも言えるかもしれない。

人をどんなに感動させる美しいものを作ったとしても、
受け取る側の能力がないと、どうしようもない、ということだ。


グラデーションが素晴らしい、虹色の素晴らしい100万色の織物を見せたとしても、
見た相手が2色型色覚でレベルが高い人間だとすると
白と黒しか判別出来ないので、グラデーションが見えない。
「白から黒に掛けての色合いですね」と言うしかないものに映る。



神々しいもの、素敵なもの、
それがあまりに非日常なものだとしたら、
それは「あなたに視えていないもの」なのかもしれない。

何故視えないか、何故その姿が良く認識出来ないか...を考えると
恐らく一生、見る必要がなくその機会も絶対にないから、なのだろう。

どうせ見る機会がないのだから、脳(体を作る奥の組織)が
初期設定で「この能力要らない、有ってもエネルギー使うだけだし」とその能力を封印している、という可能性がある。

恐らくだが、生物には、あんなこと、そんなこと、どんなこと...と
色々な可能性があって、様々なことが出来るのだが、
「どうせこれは一生使う機会ないから…」とエネルギーを過度に使わないように
体が不要なものを封印しているのだと思われる。

じゃあ何で最初からそんな能力があるのだ、という話だが、
最初は有った、或いは必要だから封印されずに開かれていた、
というものなのだと思われる。

子供が大人になる過程に似ている。

子供が大人になるにつれて、
子供の頃は普通にあったのに、「大人になったら要らないから」と
どんどん色んなものが封印されているものはいくつかある。

例:好奇心が並じゃない。少しの変化に驚く
→大人になるに連れ、自動的に脳がそれらの能力を封印していく
大人になっても子供の好奇心をそのまま持つ大人は多くはない

生きていくために、生きやすくするために、
「要らないもの」「使わないもの」を脳が判断し、
最適化することで生きやすくしているのである。


…オサムがどうしても視ることの出来なかった、玉虫姫の姿とは何なのだろう。


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