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第6章:天子降臨

第10話:今だけの情報

新解釈の古事記


えーと・・・

右手人差し指を口にくわえながら、
絵本を元にして説明されながら。
頭に染み込ませてゆくイワレビコ。

しばらく経ち、

『アマテラスさんの息子さんが、オシホミミさんで、
地上に降りるのが怖いから、息子のニニギさんを降ろした』

『そうね」
相槌を打つ女性。

『えーと、ニニギさんは顔で女を選んだから人に
寿命が出来た。
出来た息子は~・・・山幸さんと海幸さん。
山幸さんはお兄さんの釣り針を落として・・・
竜宮城で釣り針を見つけた。

そこで豊玉姫と結婚して、
子供産む時にサメだってバレて海に帰っちゃった。
代わりに妹の玉依姫がやってきて、その子を育てた』

『でぇ、そのふたりの間に生まれたのが僕?』

絵本に書いてあることを反芻するイワレビコ。

『そうよ』
と女性は言った。


こ、こんな素敵なお姉さんのま、孫
いや子孫だったのかっ。

目をキラキラさせるイワレビコ。

「僕、頑張ります!
天皇(すめらみこと)になります!」

言葉は格好良いが、子供らしくポーズを決めるイワレビコ。


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アマテラス「ツクヨミ!」

三貴神室に続く廊下で、ツクヨミを呼び止めるアマテラス。

「私はただ、その。山にいる三歳の子供、というのが心配だっただけです」

ツクヨミは落ち着き払って言った。
「だったら、山で助ければいいだけの話では?」

三種の神器だけを手渡すつもりが、
どうしても、、と絵本を・・・という訳であった。

立ち止まってしまい、うつむくアマテラス。

後のことはやっておきましたよ。
「絵本の回収。(天皇に即位した夜にツクヨミが届ける)、他言は絶対無用(絵本)。
少し失敗してしまいましたね」
とツクヨミ。

「ええ・・・」
反省する彼女。


そのふたりのさまを、遠くからスサノオが見ていた。
「(何か重要な話でもしてるんだろうなぁ)」

そうして遠ざかって行った。




時は経ち―・・・

初代天皇、神武天皇が即位した。

可愛い顔はどこへいったやら。
鬼も殺せそうな怖い顔で、且つ端正な顔になっていた。


ずっと小さい頃から一緒にいたヨリヒメを皇后にし、ふたりは即位にふさわしい晴天の日を楽しんでいた。


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即位の日の夜―・・・
身を清め「即位致しました」という報告を神に捧げるため、
清めた部屋でひっそりと寝る神武天皇。

疲れがあったせいだろうか?
とても疲れ切っていて、誰もが「どうしたの??」というような顔になっている神武天皇。

しかし彼は頂点に立つ人間。
人前では弱さ、疲れを完全に隠している。

・・・


部屋に妙な雰囲気を感じ、バッと飛び起きる神武天皇。

「誰だ!」

そこには、大変美しい神が立っていた。


第6章:天子降臨「第10話:今だけの情報」


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