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並び立った



うぐっ

ティルルが眉間にしわを寄せて口を手で押さえる。

「貴方やっぱり苦手だわ!」

オスの香りが強すぎんのよ!

は?という顔で口をヘの字にするマクシミリアン。


「負けたくないって闘争心で精神力、、使うわ」


それは

マクシミリアン「君がオスの要素がたくさんあるってことだろ」


「まぁそうね」


「(女王様だからか)」



マクシミリアン。シリーズ名「マックとミリー」、の「マック」の正式名称である。

彼は魔術師系の最上位職「ウォーロック」の最高レベルの男性であった。


いつものように、上級狩り場へ大勢と一緒に出向いた。

名前は「エンドレスタワー」。

そしていつの間にか、、
意識もないまま「そんなところあったっけ?いやない(反語)」みたいな不思議に場所に行ってしまったのだ。


一緒に狩りをしていた仲間たちもログインしておらず、友達登録リストで唯一ログイン中になっていたシノグに連絡を取り、
更にシノグ経由でティルルにも相談し、

この謎の場所の情報を探っていた。


シノグ=いじりキャラウォーロック

ティルル=女王様キャラハイウィザード(魔術師系の上位職)



突然後ろから弱いナパームビートをパチン!と叩きつけられた。

ナパームビートとは念属性の攻撃魔法である。


「キーング!会いに来たわよう」

魔術師なのに

射手のように 弓矢を放つポーズで

ティルルがニッコリ笑ってこっちを向いていた。


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知っちゃうとつい行ってみたくなっちゃう訳。


「(まぁ分からんでもないが)」


で、、エンドレスタワーって松明(たいまつ)が色んな階にあるでしょ。

いっぱい色んなとこ行ったわ。


で、、どこかに、ある松明に、、いかにもウニウニ動いているゼリー?空間だか

少し遠くからみるとスライムみたいなのがあったのよ。



「それ 覚えてるかも」

びっくりするマクシミリアン。


目がずーっとそっちばっかり行っちゃって、、顔背けようとして無理だったのよね

「だから 自ら入り込んでやったのよ」


『松明をどうこう・・・』って そういう情報がたくさんあって

巧妙に「RO(ラグナロクオンライン)」というキーワードから外れるようにされていたけど

それで調べてみたらたくさん出てきたわ。


・・・それでどんな世界だろう、って興味を持って来ちゃったと。


片手で顔を覆うマクシミリアン。


「(こういうのはミリーだけだと思った)」

ため息も出ない。

ミリー=ミルドレッド。このシリーズの「ミリー」。
ふにゃふにゃしてるゼラチン魔術師。マクシミリアンの孫的?存在



汗・・・


(冒頭に戻る)


そこは「ROの世界にはない」とされる「不思議な白いすすき野原」なのだが、、

白い髪の白い着物を着た小さい女の子がいる。

前回、「その子から何か情報を」とティルルから言われていた。


「女の子は何もしゃべらない。怒りも悲しみも喜びも感じられない」

「脅しても全然駄目。言葉自体持ってないように思う」

「勘だけどふたつの大きな力を感じる。監視されているように思える」


以上がマクシミリアンのレポートだった。


「白いのも不気味だ。わざと白くしているように見える。

金メッキの白版?」


ふぅん・・・

魔術師は、魔術師という職を選んだ時点で「霊力」が付く。

それが最上位の「ウォーロック」ともなると「視」える力も半端なくなるだろう。


ティルル「(しかもオーラだし)」

オーラ=最高レベル


あ、

えっと。

私も噂を探ってみたわ。

「wis(1:1対話)でもちらほら言ったけど」


ある女の人がいた。女性プレイヤー。

その人はどうやら妊娠していた?

いや、とても小さな女の子だった?

産休でROを休んだ?

或いは小学校に上がるからとROを引退した。


「その人がどうやら深い悩みを抱えていて、

その念がROに宿った?」

とか

「そういう、、意味不明な噂しか残ってなかったわね」


しょぼーんとするティルル。


トラップがひとつ、、あるな。

ふたつの力は多分、まぁ 断定出来ないな


ぞわっ


「な、なんなのかしら・・・」

得体の知れない感じに、思わず鳥肌が立ってしまう。



ひたすら考え込むマクシミリアン。


ティルル「プレイヤー同士が恋愛して、いがみ合っていたのに子供が出来てしまって、

その子供を堕ろしたか、或いは流れたか、したのかな」

(ヘヴィ~すぎるぅぅぅうぅ)


ニヤリ・・・と笑うマクシミリアン


「所詮その程度だな 想像力」


腕を組んで無表情ですすき野原を見ながら言う。

「そんな可愛いものじゃない」


面倒臭くてどうしていいのか分からなかったし、このままログアウトして引退・・・

とまで考えたが、


きゅっとティルルに向き直り。


おまえ、俺と同じ「王」だよな

と言った。


「そうよ」

凛とした声で答えるティルル。


オスの香りが強いと。光栄だ。


俺はオスだ。

そしておまえもオスだろ。


「女王」じゃない「王」だ


びくっ

雰囲気に圧倒されるティルル


面倒臭くて御免だったが、

おまえさんと一緒なら何とかなる


スッ

無言で右手を差し出すマクシミリアン。


迷いなくぎゅっと握り返すティルル。


「無敵よ。私たちなら」

挑発的に、そして任せて、という目でマクシミリアンを見た。


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