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あやしい薬



生前アルケミスト系だった者は、天界に行けば
アルケミスト系天人(仙人)になる。

モンク系だった者はモンク系に、

騎士系だった者は騎士系、、


(※アルケミスト=錬金術師職、
モンク=修行僧職、
騎士=ナイト職)


という風に。


喬一はあるアルケミスト系仙人から あやしい薬をもらったのだが

「こいつぁうまい!」

味なんて関係なくて効果が大事なのだが、味も味でフレーバー風(しかもイチゴ味)で
すっかり気に入ってしまった。


・・・

と思われたが、

「(効果はもっと上だった!)」


疲労回復のお薬だったのである。


すっかり元気モリモリになって 雲を散歩させていたら

(雲はシェパードの犬と合体してるから、雲の中の犬を散歩させないといけない)

(・・・!)



美織がどうやら具合が悪いらしい、という噂が耳に入った。

元々「何故あの人が花篠娘々に?」と妬まれたり 認められていなかったりしていたので

結構女仙たちは嬉しそうだった(天人でも性格が変わったりこういう風になってしまったりもする)。


「(アレクシスさんとの仲も悪いらしいな)」

喬一は心配した。


基本天界は「噂話」というものは 下界ほど パーッと広がったりなどしない。

その天界でこういう風に広まっているということは相当なことだということだ。


「(具合が悪いのと、夫婦仲が悪いのと、どっちの方が悪いのだろうか)」


後者の方であって欲しい。

「(具合が悪いのは辛いからなー)」

優しい喬一である。



あのアルケミスト系天人からもらったお薬を持っていこうかな


・・・!


具合が悪い

夫婦仲が悪い


イコール



「・・・・・・」
あんなことを考える喬一


彼は普通の仙人たちとは違う。

彼は人間でもあるのだ。

普通は天人、つまり仙人になるためには逝去しなければいけない。
(功績があった者だけが天界に昇れる)

しかし喬一は、ある事情により、、

人間であり、天人でもある存在になってしまった。
(過去「茶色い犬」参照)


そのため、人間でもあるため、、、天界の常識に少々疎いところがあるのだ。



・・・


ムッカーとしてくる喬一。


イライラ ムカムカ


ムカー!



そういうことか

(確かめてもいないのに)


父親→娘 のような気持ちが芽生える。
まだまだ美織のことを子供だと思っているのだろう。

(程があるが)



気付くと

後ろに 薬をくれたアルケミスト系仙人が立っていた。


後ろに仙人がいることも分からないくらい集中していたらしい。


「喬一さんのシェパードの犬の形をした雲、、黒い方の メスの方の。

あの子可愛いから見に来て、、」


動物好きらしい。



喬一は 春花(黒いシェパードの雲)を呼んだ。


「ワン!」

(※一応鳴かせることは出来る)


わぁ

と そのアルケミスト系仙人は 雲とじゃれた。


メスなので(メス犬)男性に特に懐くのである。

(そういうのがあるらしい)


たっぷり堪能した後、、、


ごそごそ


アルケミスト系仙人は何かを懐から取り出した。


ポイッ

突然 喬一の口に放り込んだ。


???


喬一はめちゃくちゃ戸惑った。


「お礼です。

自分の欲望のままに行動出来る、っていうお薬です。

ストレス溜め込んでいるみたいだから」


アルケミスト系仙人は言った。


普通はそういうの、とても危険なのですが、喬一さんなら全然大丈夫でしょう!

ニッコリ笑って言った。





言い終わる前に、ウン! と夏樹(シェパードの犬の雲)を呼び、どこかに飛び去っていく喬一だった。



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