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慣れません



ポツリ


神社の中に取り残された エメラインとジョセフ


エメライン「今から行く、って言ってたから」


例のメカニックさんが来たのかしら。


「一緒に暮らしているっていう・・・」


ピクッ と反応するジョセフ


娘が男と暮らしているというのは父としては複雑である。


ジョセフ「10歳だから安心ですな!」

なんて強がっていたあの頃が懐かしい。


港、行きましょ。


エメラインに促され、カララッと神社の扉を開ける。


ジョセフッ!



くるっと振り向くジョセフ。


んと

そのドラゴン乗せ、、いやっ、降りて!


・・・?


突然の意味不明な言動に固まるジョセフ。


ニコッと笑って、そのままバチャバチャッと

水の中を歩き、


固まったままのジョセフを ドンッ と両手で突き飛ばした。


バチャンッ!!


ジョセフは水の中に叩きつけられる。



「あっは 御免ね」

ペロツと舌を出して、


そのまま ぴょんっ とドラゴンにまたがるエメライン。


「はいよーっ!」


手綱を引き、たったかたったか と楽しそうに動き回っていた。



・・・・・・


エメラインの予測不能の行動は良く分かっているつもりなのだが

ジョセフはずっと慣れないようだ。


「ねぇ、いつもドラゴンに乗っているんだから、たまには私が乗ってもいいでしょ?」

キラキラさせた目で言う。


おもちゃを得た子供のようだ。



そのまま、楽しそうにタタタッと 港に向かって行った。


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あの人っぽいな

ジョセフが示した先に、確かにレンレンとメカニックらしき人物がいた。


「あ、いたー」


と同時にドラゴンに乗っているのが恥ずかしくなって、

おっとぉお、と降りて、ジョセフをドラゴンに乗せるエメライン

(やりたい放題)



「あ、ママ!」

レンレンが気付いてこっちに手を振る。




黒髪のメカニックがエメラインとジョセフの方を向いた。


「あら」


エメラインはびっくりしてしまう。


「娘さんをお預かりして頂いております、アルフォンスと申します」

どうぞ宜しくお願いします。


丁寧に気品のある感じでお辞儀をするアルフォンス。

(この世界にお辞儀ってあるのだろうか)


この気品、、絶妙だわ

・・・じゃなくてえっと


単語が出なくて焦る


「(いいとこの息子さんなのかしら)」


実際は真逆である。


「あら、まぁ こんな素敵な、、」

方だったなんて。

思わず頬を両手で覆ってしまうエメライン。


えっと うちのレンレンが何かご迷惑をお掛けになっていませ、、


と言おうとして


「初めまして!」

とジョセフがでかい声で言った。


「初めまして。お会い出来て光栄です」

ジョセフにも礼をする。


「(気品ある人ですなー)」

思わずそう思ってしまうジョセフ。

(切り替え早い)



いいのよ!

両腕を組んでアルフォンスの前に出、両親に言い放つレンレン。

「この人は私の奴隷なの。

いちいち気ぃつかう必要なんてないわ」


ど、、


奴隷って


「ど、奴隷なんて。何てこと言うの!!」

エメラインは叱りつけた。



レンレン「奴隷、子分、部下、家来、執事、、と昇格していくのを考えたんだけどー」


頭が痛くなるアルフォンス。


まだ一番下なのよね。


「子分、にならないとみっともないわよっ!」


みっともないって、、、


「(何故そこまで、、)」


ジョセフと同じで、アルフォンスもレンレンにはずっと慣れそうもないようだ。



ねぇ

「執事の上は何なの?」


どうでもいいことを聞くエメライン。

(奴隷について叱った方がいい)


「旦那様」


あっさりと言うレンレン。


「じゃあずっと奴隷のままで」

あっさり返す父。


すっごく頭が痛くなるアルフォンスであった。



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