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九宮



ばかぁああああぁぁああ!!


すごい声がアマツの異空間に響き渡る。

(幽霊はどうした

(っていうか幽霊もびびっている


はぁっ はぁっ はぁっ


メイチーがすごい顔をしてシャオイーを睨んでいる。

上目づかいで 両拳を下にグッと下げ、


肩で息をしながら、、、やがて目をつぶり、歯をくいしばった。

(おいおい)



両手で まぁまぁ、、と制しようとするシャオイーを無視し、

片手でそのシャオイーの両手をバシッと 振り払い、



バシイィィィッッッ!!


とひっぱたいた。




クリスティン「(ふ、普通ひっぱたいたら「パアァァァン!」じゃないの?)」

妙に冷静になりつつも、すごく驚くクリスティン。



ああん



へたりっ、、とへたり込み、



あああああんっ


あああーん


と泣き真似をするメイチー。



そして両手で顔を覆った。



幽霊も、座り込んでいたのに、立ち上がってその様子を見ている

(もう、、)



う"っ


「何でよシャオイーさん、、、」



なんでっ!



アレクシス「九宮仙人になったのがそんなにいやかよ」


くるっ

歯をくいしばって メイチーがアレクシスを睨む。


厭に決まってンでしょ!


うわぁん

再度両手を顔に覆うメイチー。


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シャオイーは、この度「洞天」から「九宮」に昇格したのである。

(※洞天、九宮、=仙人の位の名称)


シャオイーはずっとメイチーを求めていた。
ふたりはずっと前世からの友達で、

一緒にいるのが当たり前だったから、、

居なくなって どうしていいのか分からず、心のどこかがボコリと欠けてしまったような

そんな気分になって 毎日を過ごしていた。


メイチーが自分のために アレクシスと形だけの結婚をしたことをぼーっと考え、

そのうちアレクシスが実は玉清(仙人の最高位)だということを知り

元々ライバル心の高いシャオイーは


「(エリートなのか)」

とムカムカしてしまったのだ。



元々、男というものは闘争心と書いて「おとこ」と読ませる。
(よませない)


穏やかに見えるシャオイーも、「玉清」の名を聞いて男としての何かが芽生えてしまった。



「(どう考えてもこの早さで昇進出来る訳がない)」

とメイチーが絶望的になるほど、洞天→九宮 にサッサと昇格してしまったのである。



「うっうっ」

メイチーが本当に少し泣いている。


(今まではショック過ぎて涙も出なかった)


何でよう。

一番ペーペーの「太陰」から「洞天」になるのだって信じられない早さでなってたのに。

(※太陰=仙人の最下位)


やだよ。



メイチーはシャオイーが昇進するのがめちゃくちゃ厭なのだ。


だっていずれ天帝になっちゃうかもしれないじゃない


そんなどう考えても有り得ない有り得ない有り得ない ことを本気で

考え、少しでも昇進する、ということに極端に敏感になって

「絶対昇格させない!」と


天帝にすら頼むくらいだったのである。


(天帝になってしまったら めったに会えなくなってしまうから)



そのシャオイーが、

嬉しそうに「九宮仙人」になったことを報告したのだ。



冒頭に戻る。



・・・だった。(この話は)



シャオイーは、ある程度こういう反応をされることを予想はしていたが、

遥かに凌駕するメイチーの慟哭(?)に 少しふらふらしてしまった。



シャオイー「(痛い)」


頬がビリビリする。


久し振りの再会は 強烈なビンタだった。



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