結婚休暇最終日とも言う。
肩が痛い。
ものすごく痛い。
朝起きた美織は肩こりの痛みに耐えかねていた。
トポポポ
部屋に備え付けのバニラ茶なるものを注ぐ。
頭が痛い。
目の前に透明の容器が置いてある。
中には飴がたくさん入っている。
ビシッ と音を立てて亀裂が入るような錯覚に陥る。
ふとソファーを見る。
玄宗がまだ普通に寝ている。
「(先 朝食、食べに行こう)」
そう思って、そっとドアを開けようとした時
「何処へ行く」
後ろから玄宗の声がした。
「(起きてたのかっ)」
若干焦り、
くるっと振り向いて
「お、起きてたの?」
と努めて笑顔で言うようにした。
「ああ」
短く言う玄宗。
ごはん。
朝ごはん食べに行こうと思って。
玄宗「その必要はない」
美織「え?」
部屋に運ばせよう
「君もその方がいいだろう?」
美織「・・・」
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美織には言いたいことが山ほどあった。
理屈でどうこうというのも程度があるだとか
あなたには感情というものがあるの だとか
「(どうしようもなかった、というのは分かってるけど)」
玄宗「形的には不本意だったかもしれないが」
黙ってゆっくり過ぎるくらい朝食を食べるふたり。
美織「もう、玄宗とはあれきりですよ」
玄宗「うん」
もろい
もろい
何てもろいのか
お互いがボロボロと崩れ落ちる、老朽化した建物のように、、
ぼろぼろと下に落ちてゆく
美織「・・・でも あなたの思惑は少し叶ったわ」
こんなんでもう、、戻れないもん
無言の玄宗。
・・・
9割方食事が終わった頃に、美織が我慢出来ずに言った。
あのさ、
美織「・・・秩序ってもっと素敵なものだと思ってた。
でも、すっごく冷たいのね」
玄宗「かもな」
美織「玄宗!」
バン!と雲の机を叩く。
微動だにしない玄宗。
美織「混沌だって受けれてよ」