天界名物モモチキ(という果物がある)饅頭を食べる
美織と麗帆(リーファン)。
麗帆「んも~う
違うわよ。
そういう人に限ってヤバイのよ」
美織「えー?
そうなの?」
麗帆「差別?とか偏見がある訳でしょ?
まぁ昔に比べてだいぶマシになったけどね。
理解も増えたし」
美織「うん。あぐあぐ」
麗帆「だからこそね、甘えさせてくれる人に甘えちゃうのよ」
美織「甘え、、」
麗帆「優しくされたことがないからね。
だから対等に接してくれる人に、甘えちゃうの」
美織は苦笑する。
まぁ、、生前からもそういう人いたけどさ
美織「なんで、、そういう人が天界に行ける訳」
麗帆「変わっちゃうのよ~~
ほら人ってすぐ変わっちゃうでしょ。
ず~~っと同じ人なんていない訳じゃない」
そりゃそうだけど
美織「甘える、、ねぇ」
ぼへ~っと空を見上げながら思い出す。
麗帆「美織ちゃん、駄目よ。
あーたはね、人を信じすぎるのー!
アタシ本当心配よ」
美織「麗帆ったら。
あら、麗帆もいつか変わっちゃうの?」
麗帆「アタシは大丈夫よ
美織ちゃんのこと愛してるからv」
美織「やだー 麗帆ったらー!」
先程からつまらなそうにしている喬一が腕を組んでいる。
遠目からそれを見て、
あっ
喬一さーん!
喬一の名を呼ぶ美織。
喬一はムッとした顔をして
「僕はちょっと用事があります!」
パッと ウン! と春花(黒シェパードの雲)を呼び、どこかに飛んでいってしまった。
ん
美織が喬一が飛んで行った方向を見る。
麗帆「いやん。アタシたちが仲良くしてるから怒っちゃったのかしら」
麗帆がおろおろしている。
?
ハグハグッとモモチキを食べながら「珍しい・・・」とつぶやく美織。
喬一はこんなあからさまな やきもちを妬くタイプではない。
「(下界にいた時はこうじゃなかったのに)」
もっとこう、落ち着いていて、、
クールはクールだけど。
「(下界の時はもっとクールだったような?感情がない位の・・・)」
麗帆「えっとー
どこまで話したかしら」
ん、と顔を上げる美織。
美織「ん~と、、」
右手人差し指をあごに当てる。
「甘えちゃう~とかそういうの」
麗帆「そうそう。
美織ちゃん、駄目よ、図にのらせちゃ
あーたはきっと褒めすぎンのよ」
美織「褒めすぎぃ?」
目を丸くする美織。
麗帆「いい気にさせちゃうのよ~
それで調子付かせちゃうのよ」
「・・・・・・」
生前、ライナスからも同じ指摘を言われた。
「(て、天界に行っても直ってないの?
まじで!!)」
青くなる。
リ、、リイファ~ン・・・
麗帆「だからぁ、アタシだけと仲良くしとけばいい訳v」
麗帆は美織とは違う、キレイなウィンクをした。
落ち込んでボ~ッとなる美織。
「どうすれば調子付かせないで済むかなぁ」
麗帆「そんなの、調子付く相手が悪いのよ
放っておきなさいよ」
美織「(麗帆、強い・・・)」
そういえば、、、
私ずっと喬一さんが好きで、
ベタベタ甘えてるけど、、
「(あの人は調子付く、の「ち」の字もないわ)」
・・・ああいうのが普通なのかな
(あの人は特殊なような)
・・・
差別されたり、偏見の目で見られたりする人はそれ相応の理由があるのね
「(下手な正義感で平等に接してたけど)」
でも、構えないとなのね
慣れてないんだけどさ
あれ?
ふと思い出す。
喬一さんのお父さんが確かニューハーフじゃなかったっけ、、
喬一さん、それでどっか飛んでっちゃったのかな
うーん、、と考え込む美織であった。
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