え?あ これ?
玉清仙人の服である。
美織「・・・・・・」
分かっていた。
まぁ そうなんだろな
先程からずっと黙ったままになっている美織に、アレクシスが ん? という感じで聞いてきた。
アレクシス「どうかしたの」
美織「ううん
・・・すごいね。玉清」
アレクシス「荷が重いけどね」
苦笑する。
僕は
「君の方が上になるべきだと思うけど」
・・・
美織「どうして?」
上ずった声で聞く美織。
さぁね
フフフッといつもの、右手の人差し指と親指をあごにそっと付ける仕草をする。
それじゃあ。
しばしの沈黙の後にアレクシスが去ろうとした。
待って!!
美織が声を張り上げた。
「い、いつか」
振り向いたアレクシスが不思議そうに見る。
「いつか?」
い、一緒に、、
「な、何かしない?戦いとか!こう・・・」
?
どうしたんだろう、、という顔をして呆けるアレクシス。
あ・・・
「私たちが一緒にいると、む、無敵な気がして・・・
戦いたいなって!い、いつか・・・
対象物分からないけど、、」
・・・「戦い?」
何言ってるんだろうという顔でポカーンするアレクシス。
わっ
私たちがっ 一緒にいれば無敵よ?
忘れないでっ!
き、きっとそう
・・・
アレクシス「(再会したてで緊張して何が何だか分からなくなっているのかな)」
スタスタスタ
美織の元に歩くアレクシス。
スッと右手を差し出す。
「君を、最も尊敬する。その君と『戦え』るのなら、存分に戦おう」
ギュッ!と握り返す美織。
「うんっ!!」
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私たちふたりいれば無敵よ。
空にだって勝てるわ・・・
コンッ!!
ハッ
喬一「黒蛇の塩モツ鍋と緑蛇の点心出来ましたよ!!」
両手のお玉をカンカンッと鳴らして喬一が遠くから美織を呼んだ。
わぁーっ!
満面の笑みで喬一の元へと駆け寄る。
喬一は料理が上手いのでいつも料理は彼が作る。
一緒に暮らしている訳ではないが、良く行き来し合うので必然的にお料理係りになっているという訳だ。
「喬一さんてんさ~い」とか「喬一さんさいこ~♪」とか
あまりにも嬉しそうに食べるので
無表情でまんざらでもないなという気持ちになり、作っている。
点心(デザート)て今回のは?
聞く美織。
喬一「皇包(カスタードまんじゅう)です」
塩モツ鍋、の方は夏バテ防止になる。
頂きま~す♪
・・・
・・・
美織「きょ、喬一さんて、どうしてずっと太陰(仙人の最下位)なのかしら・・・」
ふと疑問に思う美織。
喬一「一番若いからです」
見た目は若いけど。
中身は・・・
美織「喬一さんは『麒麟(きりん)』よ!」
フッと顔を上げる喬一。
・・・
どうして太陰仙人なのか知らないけど。
「アレクシスが『獅子(しし)』だとしたら
喬一さんは『麒麟(きりん)』だわ・・・」
ネコ科最弱が「猫」
地上最強のネコ科が「獅子」
美織「天界最強のネコ科が、、「麒麟」・・・多分」
形的に似てるっていうか。
厭な予感がする。
凄く厭な予感・・・。
「喬一さんっ!」
喬一「はい」
美織「絶対、、絶対偉くならないで!!」
・・・
喬一「だいじょうぶです」
どうしたんだろう、と思ったが、今日はあまり美味しいって顔をしてくれないなぁと悲しくなって、、
後で涙を拭こう、と思う喬一であった。
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