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紳士ふたり



レオナルド「(なんだ、田舎っぽい男だな)」

ジョセフ「(キザっぽそうな奴だな~)」


ここはプロンテラ王宮内。

めったに使われない、皇太子並び国王専用謁見室である。


レンレン「どうせなら、私じゃなくてジョセフ氏、、私のパパですが、
ジョセフさんに言うのが一番だと思います」


レンレンに相談?した結果、

ジョセフに謝罪するのが一番だろう、そこで結論を出したり色々考えるのがいい、と
アドバイスを受けたのだ。


ふたりとも、事情が事情なので険悪な雰囲気が漂うかと思われたが、、、



もっともっとすごい険悪な雰囲気が漂った。


(そりゃそうであろう)



レオナルドは先に切り出した。


レオナルド「貴君の、、
貴殿の奥方を勝手にさらい、娶ることになり、、こうして子供まで作り、、
申し訳なかったと思っている」

心から。


本当に申し訳なかった。


両手を両膝にあて、深々と顔を下げ、謝罪した。


エメライン、と呼び捨てではなく、「奥方」という単語を使うことで、
礼を尽くしているつもりだった。


レオナルド「しかしこれは言おう。私の想いは決して幼稚なものではない!(幼稚である)
貴殿の奥方を品物のように扱うつもりで、、ではなかった」

本当に愛しているのだ。と。



ジョセフは面白くなかった。


こうやって謝られてもムカつくだけなんだよ とか

あのアホのどこがいいと思ったのだろう とか

どうやって取り返すかなー とか

どうでも良くなってきた とか


つまらなそうに色々ぐるぐると考えていた。


しかし最大に考えていたことは


「子供なんて作るなよ」

である。


ジョセフ「(要するに、、エメラインに手出したってことだよね)」



アホだけど一応俺の女なのに。


ジョセフはムカムカした。


いくら謝られても足りるか! と思う。


子供に罪はないが、その子供がもし何かの縁で近くで見ることがあったりとか
出会ったりだとかしたら、

フンッ!

と全力で冷たい態度してしまいそうだ。


顔をそむけて、大人げなく、「あなたなど嫌い。私はあなたを嫌いな人間です」オーラをまきちらし、颯爽と、、いや思いっきし全力で去っていきたい。


などと考えていた。


ジョセフ「(エメラインはどうだったのだろうか)」


バラ園では「あなたを裏切ったつもりは・・・」などと言っていたが、

どうだか。


ジョセフ「(俺のこと好きだ好きだ散々言っておきながら、、でもアレがあの娘か)」

たらー・・・っとしてため息をつく。


そのため息を見て、レオナルドはハッとした。


レオナルド「このようなことを言うのもどうかと思うのだが・・・
以前に、エメラインに」

エメライン、と呼び捨てにしたことにピクッと反応するジョセフ。


レオナルドそれに気付き、あっとしたが、続けた。


「以前エメラインに、、 「女なら誰でもいい」と「女なら誰でもいいのではないか?」と
貴殿のことを言ったことがある」


ハァ?

どこかで聞いた台詞。


「そうしたら、エメラインが、、思い当たるような、、そういうような態度をしたのだ。
だから気になった」

と言うレオナルド。


何が何だか分からないジョセフ。


ジョセフ「(そうか、レンレンか)」

レンレンも同じ台詞を言っていた。

いや、良く言ってる。

「パパは女なら誰でもいーんでしょ」


「(こいつら、、同盟でも結んでんのか??)」



う"っ!

そういえば。


バラ園でも同じことを言われた。


女なら誰でもいい、でもいいの。ジョセフの奥さんってだけでいいから!


「・・・・・・」


誰が最初に広めた?のだろうか。


ジョセフ「(そうかー、俺って女なら誰でもいいんだー)」


そしてレオナルドに言った。


ジョセフ「良く分かりません。
・・・がこれだけは言えます。
エメラインは俺のこと大好きですから」


レオナルド「(俺? エメライン?)」

俺、という汚い(彼からしたら)言葉づかいと、自分のことを棚に上げて「エメライン」と呼び捨てにしたことに驚くレオナルド。


レオナルド「(違う違う!そこではない!)」


エメラインは俺のこと大好きですから


レオナルド「(なんって自意識過剰な男なんだ!)」

美意識の高いレオナルドはその自信満々(しかも人の前で堂々と。そして皇太子の前なのに)
な態度に嫌悪の感情を抱いた。

何故エメラインはこんな男と?



自分の変態さをすっかり棚にあげて、呆れるしかないレオナルドだった。



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