おお~う!と嬉しくなったので
着替えて
ぴゅ~んと アルベルタに向かった。
あの大きな樹の下で しばらくギルバートと世間話をして楽しんでいたが、
次第に、Aさん、Bさんと 仮名を使って、
エメラインの話をして相談をした。
美織「二番目の人との間に出来た子、と、前の子たち、と
元々の旦那さんとか、、
お気の毒で」
ギルバート「こりゃまたヘヴィな話だねぇ;」
ギルバートは美織を「メイチーさん」ではなく
「めぇめぇちゃん」と呼べる、唯一の存在であった。
(メイチー、だからめぇめぇ)
美織は、何かあるとすぐに 何でも ギルバートに頼っていた。
面倒臭いので、自分が生きていない存在だということは伏せて、
生前のように相談した。
いつもは気の強い美織だが、ギルバートに対しては敬語である。
しかし、話しているうちに、、
ローザの身の上と、かつての自分の、母親を失った時の思い出が重なり、
「ギルバードざーん"!」
とえぐえぐしだし、(誰かを思い出すぞ?)
ごろ~ん、と寝っ転がって顔を覆ってしまった。
ギルバートは人生経験が豊富なので(さすが最上位職)
冷静に、
ギルバート「(ここは美味しいものでも食べさせると直るんだな~^^)」
と思い、自分の家に連れて行ったのである。
(冷静すぎる)
後になって美織が、
恥ずかしい!と言っていたのは、泣き喚いた姿を見られたが故であった。
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美織「(あの時のルナティックステーキ美味しかったな~)」
絶妙の味を思い出し、目をつぶる美織。
美織「(ギルバートさんは複雑じゃなかったのかな。うさぎステーキなんて)」
(※ギルバートはうさぎ年生まれ)
「どら焼きまだですか」
ハッ
くるりと振り返る美織。
珍しくうろちょろしていない喬一。
美織「あ、用意したよ! えっとね、」
がさごそがさごそ
先日アルベルタに行って来た時にちゃんと仕入れてきたのだ。
じゃーん
キレイにラッピング(メッセージカード付き)されたでっかい箱を取り出す美織。
喬一「足りません!二倍欲しい!」
へ?
美織「に、二倍? え?」
ラッピングに気合を入れた分、急の申し出にびっくりする。
喜んでくれると思ったのに!
喬一「アルベルタで何油売ってたんですか!」
は?
ああそうか
美織「ルナティックステーキ美味しかった!」
他にも食べたんだけど、、
じゃあ、今から一緒に食堂でルナティックステーキ食べに行こうよ!
喬一「要らないです」
へ?
でも突然どら焼き二倍は難しいよ。
ナンチュンにもう一回勝ってよ
と、どうせ負けるのに ムッしながら言う美織。
喬一「もう時間だ!」
ウン!と言ってシェパードの夏樹(犬の雲)を呼び、サッサと飛んで行ってしまう喬一。
??
何が何だか分からない美織。
美織「(どら焼き、待たせすぎたのがいけなかったのか・・・)」
食べ物の恨みは深いというけれど、、、
美織「(それにしても、、大人げなさすぎじゃない?)」
ム~ッとする美織であった。
美織「(メッセージカード、、『喬一さん大好きv』って書いたけど、、
これがイヤだったのかな?
有り得るわぁ)」
あ"あ"あ"あ"ぁ、面倒臭い人!
今度お仕置きしておかないと駄目ね!!
天界で少々長く?エメラインといるせいだろうか??
美織もアホになりつつあった。
(喬一も少しだけ)
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