喬一「そうですな」
美織「人間じゃないみたい」
くるくるくるっ
美織「こっちの方は~、」
喬一「お、モロク」
美織「あら、まぁ」
いつも通りのクライヴに
美織「クライヴ~~、、この子、折角この前アイランに会えたのにぃ、
いつも母さん母さんて マザコンじゃないのかしら」
喬一「男はみんなマザコンですよ」
美織「そうだけどぉ」
美織の口調にレンレンを思い出しながら、エメラインがおずおずと聞く。
エメライン「あのぅ、、、クライヴ??」
ぎょっとするふたり。
美織「あ、あの、、アサシンの。
アサシンクロスじゃないわよ。
アサシンの、、金髪の、、銀髪じゃないわよ
そういう子がいるの」
(※アサシン=暗殺者職。 アサシンクロス=その上位職)
エメライン「・・・(あやしい!)」
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美織「シースーもそうホイホイ見るもんじゃないわね」
喬一「エメラインさんが見る危険もありますからな」
美織「・・・クライヴはちょっとアレよねぇ」
しょぼーんとしながら美織は言う。
「今の幸せがあるのだから、、わざわざ身を明かしたところで、、
それが幸せに繋がるとは限らないしね」
喬一「うむ」
そっとしておくのが一番です。
うん そうね
そうだよね
ふたりで遠くの山々を眺めながら言い合う。
そういえばさ
美織「どら焼き、、じゃなくて
ローザさん、(満面の笑み) かっわいかったねぇ~~」
喬一「そうですな」
美織「一度でいいから抱きしめたい~
うっすら花の香りがついてそう」
喬一「どら焼きの方が大切!」
美織「うえ! 王室ご用達なんだもん。あと、、二日ぐらい待ってぇ」
喬一「二日もかかるだろうか」
美織「えっとぉ、ラッピングとかしたいの。だから一日のばし」
喬一「ふむ」
やはり美織はレンレンと口調が似ている。
不思議な力を持っている者同士、何かがあるのだろうか?
美織「そうだー。ちょっとあたし下界行って来るぅ」
ぱたぱたと走っていそいそとハイウィザードの衣装をばさばさ取り出す美織。
(※ハイウィザード=魔法使い系の上位職)
喬一「どこか用事ですか」
美織はふふふっと笑って
美織「ちょっとね。ヤボ用」
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連れて行かれた家は、確かに散らかっていた。
美織「(やだ! 掃除のしがいありそう!)」
美織はかなりの掃除好きである。
美織「(でも勝手に掃除したり、、「掃除していいですか」なんて言ったらすごく失礼だしぃ・・・」
もじもじしながら室内を横目でキョロキョロする。
ギルバート「もうちょっと待ってね^^;
久し振りだからちゃんと火の付き具合が悪くてねぇ~」
美織「あっの、(本当は掃除がいいンだけど)お手伝いしましょうか?
こうして座ってるっていうのも・・・」
ギルバート「いいよ。・・・まぁじゃあこのニンジン切ってくれる?
適当でいいから」
美織「らぁじゃ~っ!」
トントントントン
切りながら美織は思った。
美織「(こ、この組み合わせって、、なんかアレだなぁ)」
思ったんだけど、この組み合わせ、っていうのも微妙だなぁ~
なんて思うんだよねぇ~^^;
見抜いたかのように言うギルバート。
美織「出来たぁ 『ルナティックステーキ』と『ひつじ肉とチーズのグラタン』っ」
(注釈:微妙な組み合わせ=ルナティック(うさぎ)とニンジンを一緒に並べる)
ギルバート「出来たねぇ」
美織「手際いいですね。この料理結構新作なのに」
ギルバート「まぁ比較的簡単な方だからねぇ~」
えっ と言う美織。
美織「そうですか?
やっぱギルバートさんて料理上手ー」
ギルバート「まぁ 料理は得意の分野のひとつではあるね」
美織「じゃ~ 食べましょっか。ほかほかなうちに」
ギルバート「そういえばめぇめぇちゃん」
もう大丈夫かい?
心配そうに尋ねるギルバート。
うえっとして「あ、、大丈夫です」
心配掛けて御免なさい。
真っ赤な顔をして謝る。
いや、大丈夫ならいいんだけど・・・
ギルバート「あんなに泣いてたから」
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