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種明かし



何処が好きになったと聞かれた。

エメラインの。


全部だよ

面倒くせーなー


ジョセフ「全部です」


・・・いやいや


想像をシューッと消す。

ふぅ


ジョセフ「良く分かりません」


そうか、、と答えるレオナルド。


レオナルド「貴殿は、、その 女なら誰でも良かったのだろうか」


ジョセフ「それだけはありません」


レオナルド「エメラインは、貴殿にとって 特別な存在なのか?」


ジョセフ「じゃなかったら結婚などしません」


くっと苦しくなるレオナルド。

いい加減な気持ちのジョセフだったらスーッとラクになれるのに、

あんまりいい加減ではない
(むしろ掘りがいがありそうな感じですらある)
そんな感じのジョセフに、胸が酸っぱくなる。


レオナルド「でも、貴殿には絶対渡さない!」

突然湧いた嫉妬心を惜しげもなく出すレオナルド。


美意識の強い紳士(変態だけど)のレオナルドが声を荒げている。


ジョセフ「(本当に、アレのどこがいいんだろうか)」


非常に失礼なこと(でもないが)を考えるジョセフ。


・・・


エメライン・・・



エメライン、君がどういうことになろうと、
僕への気持ちは揺らがないって知ってる。

君は

僕が好きなはず

違うのかな

俺が思い込んでいるだけ?

昔だけ?

今は?

流れる水を見るのを楽しむように

僕をずっとずっと、その水がやがて海へ注ぎ込むのを見るまで、、

その海へと走っていって海を一望するまで・・・


ずっと、僕が好きだろ



レンレン『(ばっかなパパ。やっと深く考え出したの?)』


突然レンレンの声が頭に響く。


ジョセフ「??????」


レンレン『(大丈夫。頭に話し掛けてるだけだから。他の人には聞こえないわ)』

な、なに なになになに?

戸惑うジョセフに構わずに話し掛ける。


レンレン『パパってーすぐ考えるのやめるンだもん。ムカつくからあんなこと言ったのー)』

ジョセフ「(あんなこと・・・)」

レンレン『(女なら誰でも、ってやつ)』

ジョセフ「(おまえだったのか・・・)」

レンレン『(焚き付けないと駄目なタイプっているけどさー、パパって極端よね~)』


レオナルド「? どうなされた?」


ジョセフ「あ? だ、大丈夫です」

沈黙のジョセフに、「怒りかな」と思っていたのだが、具合でも悪いのかと心配するレオナルド。(やはり根は紳士だ)


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プロンテラにまで行き、そこでふたりは別れた。


エメラインが何処にいるのか聞きたいジョセフだったが、
教えてもらうのも何だか癪な気がして まぁいいや と思った。


「(どうせ俺のところに帰ってくるだろう)」


しかしレオナルド皇太子と会って話したんだよなー・・・ と
改めてその事実をかみしめ、しみじみと物思いにふけるジョセフ。


最初は謝罪だったけれど、最後には挑戦状を叩きつけられた。


ジョセフ「(俺ってこういうの苦手なんだよねー)」


しかしまぁ、めったに会うことの出来ない皇太子に会って
話したりして、
貴重な経験出来たかも、とのんきに考えていた。


そして、今はモスコビア(美しい礼拝堂と皇宮で彩られる街)で 或るホワイトスミスの三次職転職を手伝っているというレンレンを・・・
ちゃんとお仕置きしておかなければ、と思った。

(※ホワイトスミス=鍛冶職人の上位職)



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