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ワイアット



レンレンたちとフィゲルで会ったウォーロックの名前はワイアットといった。


ワイアット「(俺は何か変なことを言ってしまったらしい)」


先程の会話で、黒髪のホワイトスミスが「牡丹の人」という言葉を言った途端に変な顔?をしたことを思い出した。

(※ホワイトスミス=鍛冶職人の上位職)


ワイアット「(兄貴の知り合いなのかな?メイチーさんていう人の弟さん?とかお兄さんかもしれない)」

いずれにしても、人を不快にさせてしまった可能性は、、否めない。


ワイアットは人の顔色ばかり伺う性格であった。


俺は、、
俺は、、、

俺はーっ!

なんでいつもこうなんだ!

人を不快にばっかりさせて、、、



「お前は人の顔色ばかり伺うんだな。そんなんじゃ生きていけないぞ。
何のために生まれてきたんだ。
人に合わせる生き方をするな。
おまえの人生を生きろ!」


兄貴・・・


今はジュノー大学院で教鞭をとっている一番上の兄、アレクシス。


優しくて、凛々しくて、時折、とても冷たい目をする兄。


いつも子供の頃から励ましてもらった。

他の兄たちは 莫迦にしたり、相手にしてくれなかったのに。

父でさえも見放してたのに。



ワイアット「(そういえば)」


兄さんが「山吹の人」と呼んでいた人。


ワイアット「(どういう人だったのだろう・・・)」


今まで、全然考えたことがなかった。


兄を考えているうちに、関連付いてその人の存在に気付いた。



メイチー。

東洋系の名前だった。


黒髪なのかな。


大人っぽい人なんだろうな



僕もいつか、僕のメイチーを見つけ・・・


まぁ、無理かっ

あははっ とひとりで笑った。



少し経ち・・・


ワイアット「(もういいや。気にするのやめよう)」

兄からの言葉を思い出し、気にしないようにするワイアット。



外の空気をスーッと吸う。



あ、

ワイアット「(もう一度・・・あの元気な女の子に会えたらいいな)」



レンレンの明るい元気な顔を思い出して夜空を見上げた。



その昔。

絵本や、昔ばなしに出てきた。優しい末っ子。

世界中にある おとぎ話。


いじわるな兄に虐げられても、優しい弟や、、

いじわるな姉たちに酷い目に遭わされても、、ずっと優しい一番末の妹・・・


日本では「因幡の白うさぎ」が有名。


元来、末っ子は賢く、優しい、人の痛みが分かる

(イザという時に逃げるけど)

素敵な存在なのである。



メイチーよりももっと素敵な女性が いつかワイアットの元に
神が遣わすのは自然の摂理なのである。


彼は、兄たちを超え、父を超え、最も強いウォーロックになる。


(アレクシスはどうしても超えられないけど、、)


空の星々が、ワイアットの澄んだ目を見て、

次々に祝福を掛けた。



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