裁判のような役割も持つ美織。
ビシッ!と理路整然と裁きを下すこともあれば、
「主語抜けてませんか?目的語は?・・・っていうかそもそも言いたいこと何?」
と相手に思わせるような変な言い方をすることもあった。
美織「(頭が、、すごく疲れてるんだわ
っていうか駄目だ。言語が話せない)」
「(ふざけんな!何やってるんだ私は。
パブリックの場にプライベートの悩みを知らず知らずに持って来てしまうなんて)」
美織「(気合だ!って思って頑張っても、、いつもの1/3の効率しか出せない。
やだやだ。あぁぁあぁぁ)」
菊の精「少しお休みになった方が宜しいですわ」
水仙の精「いつも大変ご無理をなさっているから、、お体が心配ですわ」
美織「大丈夫です!」
バゴッ!
(回れ右してすぐに物にぶつかった)
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花の精たちは皆が心配していた。
事情を深く知っていたから・・・。
ぶおっ
ふわ~・・・
黄色い空。
砂塵が吹いてる訳でもないのに。
美織は思う。
ふわー。
「(アインペフにでも行ってみようかな)」
(鋼鉄の都市「アインブロック」の隣の村)
錆び付いてる時には錆び付いているトコに行くのが一番よ
(そうか?)
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やっぱ「ゴールデンキャデラック」よね~ん♪
バーテン「ハイウィザードのねーちゃん、どしたんだい。良いことでもあったんかい?(ニコニコ)」
えっへっへ~
「さいあ~くな気分よ。うっふっふ~」
※ウィザード系天人は、ハイウィザードの服を好んで着る。
バーテンさぁん、ゴールデン、、
「いや、『チャイナー・ブルー』作ってよ」
バーテン「ねーちゃん、ちょっと呑み過ぎなんじゃないのかい?
ププッ ほら、トイレで鏡見てきなよ。タコみたいな顔してるぜ」
タタタタタッ
「ハァ~ッ」
トイレの鏡には、真っ赤な顔をしたみっともない自身の顔が映っていた。
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お酒呑んだから、寒くても多少 体が熱いから大丈夫だわ。
アインペフの暗い場所。
誰もこんなとこ来ねーよ!
っていうか霊でも出そう。・・・な場所で座るメイチー。
「(天界に行った後、、妙に男らしいシャオイーさんがいて。
おかしい、、誰?って思ってたけど)」
(少し大きなお世話)
ぜぇ~んぶ
「ライイー」・・・・・・だったのね。
「シャオイー」のつもりでずっと接してたのに。
小石をぶんっと投げる。
「(詐欺ーっ シャオイー、、シャオイー・・・シャオイー・・・)」
あの子たちを失って、ただでさえ辛いのに。
「(どんな罰ゲームなの)」
ごろんっ
寝っ転がる。
土の冷たい感覚が心地良い。
づら"い"。
何でこんな現実が。
ガサッ
え
そっと身を起こす。
・・・
ら、「ライイー・・・さん・・・」
「美織」
「いや、『メイチー』」
(下界はカタカナ表記)
ど、どうして・・・
ピシュリムを掛ける前からシャオイーさんと瓜二つだった、、ライイーさん。
そう聞いた。
「冷たい顔・・・」
美織「シャオイーさんはもっと優しそうな顔してた」
ピシュリム。
国王陛下と天帝と闇帝に頼み、その許可を得られれば、
(闇帝は必要ない場合もあるが、あると証明が強まる)
戸籍は変えられる。
ピシュリムで別人になった人物は、その事情から・・・
元の戸籍に変える者はほとんどいないが。
用意していた大きなストールをかぶせ、「風邪ひくからおいで」と
メイチーを立ち上がらせようとするライイー。
「ぜったぃ・・・・・・シャオイーさんじゃ、なび・・・
誰なのこのびど・・・」
うつらうつらとしながら、
「(そういえば、子供が生まれた時から口調が変わってた。
あの辺りから、、元の人格・・・ライイーさんに変わっていったのね、、戻っていったのか・・・)」
と思う美織。
・・・
「シャオイー・・・さん・・・」
涙を流す彼女。
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