めぇめぇちゃん、とやってきたのは、九宮仙人の服を着たギルバートであった。
ギルバートとは、生前の美織の友人でメカニックという鍛冶師職についていた人物であった。
きゃあっ!
ジャンピングして飛び付く美織。
「ぎるばぁとさあぁぁんっ!!
(涙声)あ、会いたかった!!すっごい会いたかったようううぅぅうう!」
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ギルバート「こ、これは・・・」
美織「ファミチキに似てますよね。柔らかくて美味しいんです」
しかし、天界に上げられてすぐに『九宮』って凄いな、、とぼうっと思う。
遠くの山々を見ながら、もふっもふもふっと、「モモチキ(天界の食べ物)」を食べるふたり。
何で亡くなったのかは「個人のプライバシー」ということで触れないのが一般的である。
大抵は寿命であるが。
すぐに亡くなる人もいるし、ものすご~~く長生きする人間もいる。
事故や不治の病という場合だけでなく、何となく体の機能が衰えて「亡くなる」というパターンがほとんどだ。
カサッ
「なぁ~にやってるの?」
ふあ
香水の香りがした。
くるっとふたりが振り向くと、麗帆(リーファン)がいた。
きゃあっ!
ジャンピングして飛び付く美織。
「りいふぁあぁぁんっ!!
(涙声)あ、会いたかった!!すっごい会いたかったようううぅぅうう!」
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「ファミチキ」っていうのもあるみたい
麗帆「あるわね」
ライナスが「あれのパクリだろ」って言ってたなぁ
ちなみに麗帆(リーファン)の位は草露娘々(くさつゆにゃんにゃん)。
美織の一段下である。
あのパッとしない人、と言われていた喬一と結婚して、、
凄く疲れることがいっぱいあった。
とか
やっと人格が統合・・・
とか
頑張って話す美織だ。
ギルバード「助けになるかどうか分からないけれど」
お水を飲むギルバード。
「知り合いに
ジェラルドっていう人がいて、
めぇめぇちゃんのこと、何とか出来ないかなと思うんだよな~」
くるっと振り向く麗帆。
「ジェラルドって言った?
私の幼馴染よ」
同時に振り向くふたり。
と。
やっほ~ぅ!
ぬいぐるみのようなもっこもこの防寒服を着たレンレンがやってきた。
可愛いぃぃぃぃ~v
レンレン「ぐえぇぇえぇっ」
思いっきし男の力でレンレンを抱きしめる麗帆。
あっけに取られる美織とギルバート。
ちなみにレンレンは「麒鳳大仙」という天界での位を持つため、天界の行き来が一応出来る。
花の精やらがぽわぽわと連れてゆくのだ。
ただ「人間」のだめ、防寒は必須である。
(天界は寒い)
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そのままでも統合するものだと思っていたが、
レンレンに渡された「薬」。
これで「喬一」と「来儀」が統合する、ということが更に強固なものになるだろう。
紫な「喬一」さんはいなくて。
濃紺な喬一さん。
でも
たまには燃えるような『緋色』
『紅色』・・・いや。ならないか
ずっと来儀は閉じ込められたまま喬一さんとして、元に戻る。
夕陽が眩しい。
キレイな空。
美織「もう夕方なのね」
メイチー・・・いや「美織」さん。
レンレンが小意気に笑った。
「喬一さんは紺でも青でもないのよ。今後は紫になるわ
ね。赤い色はそうね。一番キレイな「茜色」になるかもね」
麗帆「茜色。こういう空のこと?」
ギルバート「きれいだね」
茜色の空は橙色っぽいけど
空を見上げて目をつぶるレンレン。
本当の「茜色」。
キレイな、妖艶て言うのかしら?ああいう色よ
「美織さん、後で調べてみて」
ギルバートは思った。
幼い子だと思っていたけど大人びたというと言葉があれだけど
しっかりしている子だな~;
単純に
体は10歳なれど、心は成長している。そういうことである。
赤系の喬一さんなんて。
美織「面白そう・・・1日限定かな?」
顔を上げ、赤い空を見上げる美織。
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