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魔法の



こういう

緑一杯のところが良いの。

メイチーが両手を上に上げてフェイヨンの森の中を小走りで歩いていった。

レオン「そうでありますか。森と林の中間といいますか。
このようなところは心地良いですからね」


うん
「ここを進んだところにゴザがあってね」


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レオンは少し焦った。

「(ここまでベラベラ話していいんだろうか・・・この人。
俺が信用出来る人間か分からないのに。小さい頃会ったことあるけど・・・)」

メイチーはシャオイーのこと、ライイーのことを全て話し、相談したのだ。

それは
レオンなら。『この人間なら大丈夫』という確信があったがゆえのことであった。


レオンは覚悟を決めた。

「(俺なら大丈夫と信頼してくれてるんだ。
逃げたら男としてすたるよな)」


メイチー「レオン君?」


メイチー殿。

「恐れながら、、お心があまりにお弱い
自分は情けなく感じます!」


メイチー「お、お心が弱い」

分かっているだけに、実際に言葉に出されると辛いメイチー。


レオン「自分は 『そういったもの』は存じません。
しかしもしもそれが心を豊かにするものならば、
人を想うことが楽しい、嬉しいと思うならば、

貫くべきです。

何を優柔不断に迷うのか。恐れながら私はあなたの中途半端な態度が口惜しい」


ふい、と「知らないもん」と顔をそむけるメイチー。

レオン「(普段ならここで立ち去るところですよ)あなたは何を望んでおられるのでしょうか(汗)」



メイチー「何を、、か」


レオン「そうやって、今まで逃げてきたんですね
何も決断せずに
情けない!」

ぐっ

メイチーはバチンッ!とレオンを引っぱたいた。


ハッ

・・・ご、御免

謝るメイチー。


ふわっ・・・

鋭いような、柔らかいような風が吹いた。


うわっ!

メイチー、レオンが同時に声を上げた。


黒服の聖職者。知的な風貌。


ライイー・・・

青くなったメイチーが言う。


メイチー「(ここで良くお茶飲んでしゃべってたから・・・
それを思い出して・・・)」



「(そうか。シャオイーさんじゃなくて、今は『ライイー』という人格?なのか)」

何とか頭で理解しようとするレオン。


メイチーの腕をつかみ、「話したい」
と言うライイー。


う、うん・・・と言って立ち上がるメイチー。

・・・

「(勘違いされていたらどうしよう)」
心配するレオン。


「それじゃ。色々有難う」
レオンに敬礼のポーズをするメイチー。


・・・


もしゃもしゃ。
(羊かん)

ズズーッ
(緑茶)

ふたりが去った後、レオンはのんびりと和菓子を食べて「柔軟」な空気を堪能した。

(柔軟さが移った)


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結局、混乱と錯乱としびれを混ぜたような仙術を要領良く使われ
ポーンッと天界に連れて行かれるメイチー。

(とっても簡単に)


うう
「(太極仙人は山々に行かなければ行けないから、少し後に行くんだろうな。
最も途中で抜けてきたんだろうけど・・・

レオン君に宜しく言ったつもりだったけど、変に思っているだろうな(汗)
何だったんだろう、ってきっと思ったよね。引っぱたいちゃったし)」


そしてレオンの言葉を思い出す。


『貫くべきです。

何を優柔不断に迷うのか。恐れながら私はあなたの中途半端な態度が口惜しい』


来儀「今、話そう。来い」

居間の方へ静かに向かう彼。


冷酷な笑みを携え、野心に満ちたような、、そんな男性。
来儀。

常に凪の心を持ち、落ち着いた爺さんのような男性。
喬一。


美織「来儀も、喬一さんも、、同じなのよね?」

・・・
無言のままの来儀。

「ここ何処?異次元?家の中じゃないみたい。
目がかすむ・・・」
変なことを言う美織。

来儀「だから?」
何に対しての「だから?」なのだろう。

「どんな、、喬一さんでもいい。
喬一という細胞を持っているなら」

「だったらそれでいいだろう」
険しい顔をして答える来儀。


美織が言った。
「でも何か、・・・あなたがいなくなっちゃうような気がするの
両方ともあなたなら、どっちもいて欲しい」

・・・

「きっと。あなたを通してずっと喬一さんを見てた。
私が・・・好きだったのは 愛したのは」


消滅した後に天界に上げられて・・・
喬一さんを。

「違う。あなた、を愛した」

・・・


最初で最後の口付け。
最後の口付け。
きっと、永遠には残らない・・・・・・



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