RO小説本編の目次  >  賢者の海の目次
       

 

 

 

玉清



ROの世界にも「男性の育児休暇」なるものが存在する。

取らない人もいるが、それは人それぞれである。


取らざるを得ないな

とシャオイーは思った。


太清仙人としての勤めは休むことになってしまうが、

「それはそれで」と思っていた。


ちなみに今までの出世順を並べてみる。


ペーペーの太陰仙人 → 洞天仙人 → 九宮仙人 → 太清仙人

である。
序列表)←URLを



でも、玉清仙人(仙人の最高位)にはまだまだである。



宮廷の何処かの階段で座り、両腕を組みながらじーっと考え込むシャオイー。

宮廷、というのは 美織が生前王家出身だったため、里下がり場所が王宮だからである。


隠しているだけで、

シャオイーは相当、プライドが高く、

そして負けず嫌いだ。


アレクシスに負けている、という事実がムカついた。

メイチーは関係なく、単純に負けず嫌い、、なのである。


どんなに努力しても

決して届くことの無い 高い山。


この大空のように 広い広い 心を持った「出来た」存在。

そして天界に上がってすぐに「玉清」になる器。


しかし一点だけ、彼はアレクシスに完全に勝った点があった。


霊力が高いはずのアークビショップ(聖職者の最上位職)のエメラインにも
見抜かれず、
アレクシスをも完璧にだました。


メイチーへの気持ちである。


シャオイーはアレクシスの千里眼さえ見えないほどの壁を作れたといえる。
それはかなりすごいことである。

(シャオイーは「そんなの当然」と思ってあまり気にしない)


※エメラインの方は「4章:南極の花」、
アレクシスの方は「7章:むらさき」に、その表現が出ている。




シャオイーさん

パタパタと駆けて来るメイチー。


「これなんてどう、かな」

紙に達筆で名前がふたつ書いてある。


・・・

シャオイーさん?


フイッと背を向けて、何処かに去ってしまった。


はえ?

へー??


でかい声を出すメイチー。



みぃちゃん

あのさ・・・(呆)

『シャオイーさん!』


・・・

・・・


ひとりにしなさい。
亭主は


・・・?

そうか


シャオイーは単純に「玉清」になりたいだけなのだと気付いた。

八つ当たりだったのだ。


遠い・・・朝もやのようなぼんやりとした記憶。
ハッキリとも思い出せるけど。

玉清になったら・・・?
美織を・・・娶ろうと・・・
誰の記憶?
喬一は少し驚いた。



夜が更け、就寝の時間になった。


メイチーはそのまま自分の部屋で眠り、

シャオイーは客室に向かって行った。


「(昼間も感じたことだけど)」

何だろう。この陰惨な。

不吉な感じは・・・。


「(今この時間が・・・)」

不思議な感覚に襲われるシャオイー。


---------------------------------------------------


一方メイチー。


何となく、あのイズルード(衛星都市)の海に来ていた。

寝付けず、そーっとここまで来たのである。

「(ここで以前、シャオイーさんと子供の話をした)」

涙がじわっと出てくる

何でだろう


良く分からない。

海が恐い


そしてすごく

愛しい・・・



現代ファンタジーのオンライン小説 | ものもの



BACK「名前」  NEXT「詰め合わせ」


WEB CLAP  ひとことでいいですよ。&感想書き逃げ大歓迎同盟