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三色目



グリストゥン。

精神主義から両立主義へと変換させる邪気魔法である。


何故、「邪気」魔法かと言うと、

精神を両立か物質に変換する、という概念自体が地界のものなので、

それゆえ、邪気魔法、なのである。


逆に、物質か両立を精神に変換する、という魔法は天界の方にある。



レンレンは包丁を持って「ママがやってたみたいに料理するの~♪」と料理しようとしていたあぶない(あぶなすぎる!)子供であった。


天人には天人の生活がある訳だが、レンレンはレンレンなりに考えるところがあったのだろう。



喬一も、美織も物質主義的なものはあった。

ただ天人のため、心の底で眠っている状態になっていた。

他の天人たちも皆そうである。

勿論、全くない訳ではない。



ある日蘭の花を摘みながらレンレンは思った。


両立主義なこの世界(下界。ラグナロクオンラインの世界)で「今」のふたりがいたら

どうなっていただろうか。



「・・・・・・」


喬一も美織も幸せだし、何より美織は形だけとは言え結婚している。


別にどうこうしなくてもいい。

それは分かっている。


「分かっているけど!」

何となく声に出すレンレン。



・・・


蘭の花がスッと風に舞った。


蘭の花言葉。

変わりやすい愛情。



少しくらいいいんじゃないのかな


まーいっか


ぶわっ!


え?


真っ白い花びらがどこかを中心にくるくるくるくる舞う


きゃあああぁぁ


レンレンが顔を覆った。


蘭の花を摘んでいたはずなのに!


これは




白いふたりの布に 紫色の水を沁み込ませましょう。


白い白い布に 大きく 薄いハートマークを


くるくるりん くるくるりんりん

キレイに描けた!

失敗・・・?

まぁいいや


・・・


私の、気持ち


薄い 赤い ハート

情熱の赤


薄い 青い ハート

冷静の青



混ぜ合わせて ふたりの白い布に 冷静と情熱の「紫色」のハートを描くの


大丈夫


いっときの夢だから!


美織さんは少し失敗しちゃうかもしれないけど


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下界のどこかで売っていたピーチジュースをチューと飲みながら、シャオイーは再度イズルードに来ていた。


普段ならあっちこっち こっちあっち忙しくしているころであろう。

シャオイーはうろちょろするのが好きな性格だから特にこの時期(4月)はそうだ。


・・・

シャオイーは 三色目が欲しかった。

スピリチュアル

マテリアルで沁み込んでいった


遠くを見つめる。

ソーシャル・・・

「(それが一番欲しいですな)」




グリストゥンは一時的な魔法である。

眠っていた物質主義を起こし、両立主義にさせるが

すぐに淡く消えていってしまう。



そうして、魔法は解け、喬一も美織も元に戻った。

いつも通りの、精神主義の

ふわふわしたふたりに・・・



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