ざざ~ん
ざぷ~ん
ふわ~(風)
ここはイズルード。
ルーンミッドガッツ王国の首都プロンテラ・・・その衛星都市である。
人が割りと少なめで、島自体が小さいので 少し歩けばすぐに海を見渡せる場所に座れるので
メイチーが提案したのだ。
あむあむ
チーズクリームサンドウィッチを食べながら、
しばらくふたり、、メイチーとシャオイーは海のキレイさに見とれていた。
ぼ~・・・
「この前は すみません・・・
また言うかもしれないけど マタニティ・ブルーだから」
「大変ですな」
落ち着いて言うシャオイー。
メイチー「八つ当たりしちゃうかもだけど知らない言語言ってる、って思って。
私、すごくアレだけど・・・」
(下界はカタカナ表記)
だいじょうぶです。
柔らかい声で言うシャオイー。
・・・
ざざ~ん・・・
・・・
私は
意識がないのが 厭だったのです
シャオイー「ものすごく起こしましたが!」
くるっと振り向くメイチー。
「え・・・」
「クンファから・・・落ちる勢いで起こしたけど
全く起きなかった・・・」
ざざ~ん
・・・
メイチー「レンレンの魔法・・・
あれが強すぎたのか・・・」
顔を覆うメイチー。
・・・
海を見つめる。
シャオイーはずっと、一色だけだった。
スピリチュアル的(精神的)にも
マテリアル的(物質的にも)にも、やっとメイチーを手に入れたのだ。
シャオイー「(なるようになるかな)」
この先どうなっていくのかをぼおっと考えるシャオイー。
メイチー「天人と人間のハーフかー 。
これで更に西洋系と東洋系の組み合わせだったら面白かったねぇ・・・」
「うむ」
面白みのないことを言う。
個性のない親が出来た場合は、何か科学反応が起きるかもしれない、とも思わせる。
目を点にして、しばらくぼーっとしていたふたり。
ざざ~ん
パシャッ!
この中の、ひとしずくが、恐らく「誕生権」を持つ生命になる。
そんなことを考えていたメイチー。
海を見て、空想が広がったのである。
スピリチュアルが青で、マテリアルが赤だとして、
両方ある「紫」がこういう事象・・・を生み出すんだと思う。
メイチー「でも私は青だけのまま。一色しかないわ・・・」
感覚的に。
本来広がるはずの鮮やかな紫色が私の中で広がらない。
海からの風がざあっ、とメイチーに直撃する。
シャオイーは二色。精神的にも肉体的にも・・・結ばれた感覚がある。
それゆえ二色なのだ。
しかしメイチーは精神的に、、つまり夢の中で楽しそうに笑い合っている精神的に結ばれた感覚、つまり
一色のみなのだ。
「シャオイーさん、二色より一色の方が良かった?」
訊くメイチー。
「んーどっちでもいいです!」
もちろん、同じ答えであった。
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「クレープでも食べようか」
スタスタスタ
ふたりはクレープ屋に向かった。
「私、チーズケーキストロベリー!」
とメイチー。
シャオイーさんは?
シャオイー「バニラ」
今更ツッコむ気にもなれないメイチーだった。
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