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にたもの



ザシュッ


先の尖った、円錐(えんすい)のような武器。


背中から一撃だった。


ぐごふぅっ


相手の口から血が吹き出る ビシャアァァァ!! 水道をひねった時 手で押さえて出すあの感じの


どうっ

倒れる相手。


ニヤリと笑うアレクシス。


うごっうごっ ふぅぅうぅっっ


なおも相手は血を出している。



「おまえ、もうくたばれ」


疲れたような声。


「待ってくれ」


実際はそうは言っていないが、アレクシスにはそう聞き取れた。


一瞥するアレクシス


「許してくれ 悪かった」


アレクシスはそう聞こえた。


「うるさいな」


うごおぉおっ

血の塊が飛ぶ。

ビチャッ


アレクシスの服についた 顔にも。


そのまま、


アレクシスは去った。




ライナス「・・・そうか」

グラスをカラン、と揺らすライナス。


お疲れ。


カラン 再度グラスを揺らす。


女性の敵、、という犯罪をいくつも犯した犯罪者が
アレクシスの手によって裁かれた。


基本的に下界では手に負えない者は、天界に要請が行って

天人が裁く。

めったにないことであるが。


その場合、冷酷さを持ちつつも人の心を持っている強靭な精神力を持った天人が

「恐ろしい方法」で、始末するのだ。

始末。
人間に使う言葉ではない。


冷酷な天人の代表格は

アレクシスとメイチーである。

他にもいるが、このふたりはズバ抜けていた。


しかし10割(え?)はアレクシスが担当する。


他の天人は冷酷さが欠けていて、とてもそんなことが出来ないというのと、

アレクシスがあまりにも優秀な?冷酷さを持っているので

大抵はアレクシスが担当する。

でも10割だから全部ということだろう・・・


その時に出てくるのが「カルモノモード」である。


人を大量虐殺したり

弱いものを攻撃して楽しんだり

本当にどうしようもないというか

更生不可能という人間は0.01%だが、どうしても出てくる。

そういう人間を狩るための 天界の、下界への処置である。

(この世界の更生不可能人間は0.01%という設定)



完全な冷酷さは 人である限り 絶対に持てない。

でもアレクシスは持っていた。

天人ならば なおさら そんなもの持てないのに。


持てる時は 「人」であることを捨てた時だけだ。


しかし、アレクシスは持っていた。


ライナス「人の心を忘れずに冷酷さを持ってなんてかっけーな」

ハッシシを(許可も得ず)吸い出す。


・・・


妻には敵いませんよ


・・・


ああ

ライナスは深く、、うなずいた。


あの人は すごく人の心を持ってるのに


「(怒らせると怖えぇんだよな)」


物思いにふけっていたライナスに


どんな存在だって殺せますよ

と言うアレクシス。

次々とNGワードを繰り広げる・・・。


うん。

だろうな。

落ち着いて返すライナス。


でも


君だって 相当


カルカノモードのアレクシスを見てライナスは思った。


「(冷酷持ちふたりか、、)」

すごいめぐり会わせだな


怒ったら怖そう

じゃなくて、、


「(似た者夫婦だな)」


再度 カラン、、とグラスを揺らすライナスだった。



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