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ゆらゆら



クリスティンはやけになっていた。

アレクシスが何処にもいなくなってしまい、擬似麻薬を欲していた。


ドカッ バキッ

ドカーッ!!

バキバキイイッ!


「い、いもむとさん、大丈夫ですか!」


はぁっ はぁっ


属性武器全部持ってきてるから大丈夫っすぅ!

(※属性武器、火、水、など、属性が付いている武器)


ドカァッ!

バキキッ!!


「(い、いもむとさん・・・)」


大丈夫っすぅ、なんて

言うキャラだったっけ・・・汗


アルドヘルムは 固まったまま呆然となってしまった。



しばらく時間が過ぎ、、


「帰りましょうか」


ということで、その場所は亀がたくさんいる通称「亀島」というのだが、、

亀島を後にした。


この世界には「狩り」と言って、モンスターを倒すことでレベルを上げるシステムがある。

たくさんの狩場があるが、そのうちのひとつ「亀島」に来ていたのだ。



「(いつものいもむとさんじゃない!)」

アルドヘルムはただならぬクリスティンの様子に気付いていた。

ちなみに、仲の良いナイトライド氏の「妹」ということで「いもむとさん」と呼んでいた。



涙こらえなきゃ。


「(というかこれ、モンスター相手とは言え、八つ当たりじゃない。
サイテー私)」


クリスティンは自己嫌悪に襲われた。


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幼い激高。

戸惑う空気と、心配する顔。


森の中、湖に、足を入れてゆらゆら動かして涼んでいた時。


「クリスティン」


後ろから声が掛かった。

何かを感じて、そっと振り返った。


声の主はそっと横に座った。


主題をお互いに分かりながらの、ぎこちない会話。


クリスティンは手足を伸ばして柔軟体操をして

もうひとりは遠くを見つめてぼーっとしていた。


「どうぞ」

ジュースを渡す。

・・・


ちゅ~~~

ジュースはレモンジュース。

目の前にはキラキラした川が流れている。



時は静かに過ぎて行った。

ふたりで一緒に海を観に行った。


危ないよ、
アルドヘルムはそっと手をとり、一緒に岩場を降りていった。


クリスティンたちは幸せだった。


だけれど、この幸せがずっと続くことはないというのは
心の何処かで気付いていた。







クリスティンの双子の妹、エメラインが療養している高い塔で、、
大雨に降られた時に、アルドヘルムが現れた。


クリスティンとアルドヘルムは見つめあい、

そしてクリスティンは言った・・・

「私、あなたを憎んでもいた」


アルドヘルムは哀しそうにまつげを伏せた。



アルドヘルムは言った。

「足りなかったね、色々」



「僕は」

「ずっと満ち足りてた」

「幸せでした」


「御免なさい」




たまに、アルドヘルムとのことを思い出し、目が覚めることがある。

最初は忘れるようにしていたが、

クリスティンは思った。

もう、、会えないかもしれないけど、ずっと忘れないようにしよう・・・

この気持ちのまま、永遠を信じよう、、 と。



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