小さな世界 > 第4章「global」
ツモコタツ
はいっ
花宇「ツモーッ♪」
パタッ
・・・
えっと
いっち、にー
ピッ と3つの指を出す花宇。
「三倍役満♪」
しーん・・・
花宇「あれ?どうしたの?」
キョロキョロする彼女。
のけぞる遼一と、言葉を失い、青くなる諭弦。
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花宇「もっと揉め~♪」
肩をせっせと揉む遼一、脚をせっせと揉む諭弦。
先刻―・・・。
諭弦が提案した。
「何でしたらリラックスしやすいように、卓を囲んで
ボードゲームなどしましょうか」
ボードゲーム?と遼一と花宇は驚いたが、
花宇があまりに緊張で硬くなっていて、どうしたものか・・・と色々と思案していたのだった。
顔つきも変わり、普通の顔に戻ったかと思えば変な表情になったり
真面目な顔の後に切なそうな感じになって心ここにあらず、になったり
まるで「精神不安定」(無理もないが)になっていて言語が通じない状態になっていたのである。
遼一「熱い玉露でも飲めば良いんじゃないかねぇ」
・・・
で。
ボードゲームと諭弦が申し出て、
「麻雀ー♪」と沙耶子が出てきた。
・・・という訳である。
お金を賭ける訳にいかないので「肩を揉む♪」と花宇が提案。
(ほぼ沙耶子が出てる・・・汗)
上機嫌で花宇が言った。
「やっぱりサンマー(三人麻雀)最高~♪読みやすいし♪」
諭弦が汗をかく。
「やはり、沙耶子さん、、?ですよね(汗)」
聞いてない花宇。
「5連勝だもんねー クセになりそ~♪」
1勝につき、10分のマッサージである。
ぬくぬくのコタツ。
すっかり緊張感が解けた・・・とまではいかないが
だいぶ取れたようである。
遼一「冴子さん連れてくれば良かった。女医だし」
はは
諭弦「はい。安定剤とか・・・」
何処かの綺麗な廊下(日本風)を歩きながら遼一が言った。
「じゃあ僕はもう行きます。あの子はそうねぇ、来るとは思うんだけど。
来ないかな?」
諭弦「多分、難しいかと」
遼一「うーん、まぁねぇ。困ったけど何とかなるでしょ。花宇さんだし。
あれ、ふぁうー、でいいんだよね?」
ハッ
呼ばれて緊張する花宇。
「はっ はいっ・・・(汗)ふぁうー、です(緊張~)」
諭弦は諭した。
「花宇さん気を楽にして良いのですよ」←優しい~感じ
まっ何とかなるでしょ。
僕はホラ、メンテナンスが、この世界のだけど。あるから
またこれで
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この世界の様々な電気やらガスやら・・・そういったものを一手に引き受ける
「エメラルド・トゥリー」という謎の巨大な樹がある。
莫大なそのエネルギーを整え、この世界の様々な電気だとかガスだとか化学的事象を
A層全体に行き渡らせる・・・
そして各地で故障している電化製品等があれば(毎日百単位で出る)、その樹を通して
修理する、
さらに古くなったものを片っ端から専用の工場(ではないがそういう概念のもの)で燃やし、
新しいものを、更に樹のエネルギーで製造し、
設置する(これは手動。そこに行かないといけない)。
花宇「千条院さんて大変なのですね」
諭弦「そうです。主のお父上ですから」
くるっと背を向ける諭弦。
花宇は言った。
あ、あの
千条院さんてす、素敵な方ですね
よ、世の中の『男性』・・・が
そ、その『男』としてみ、見られなくなりそう
くるっと振り向く諭弦。
「す、素敵な方過ぎて、もう何か確かに主さんのお父様って言うか
・・・・・・本当に、素敵な方ですね
変な意味ではないです」
優しい顔をして微笑む諭弦。
「解りますよ」
「世の女性みながそう思うと思います」
諭弦は言った。
ゴシゴシッ
目をこする花宇。
霧の中を歩いているような感覚。
「(諭弦さんは?あれっ)」
ひたすら、足が勝手に前に動いていた。