・・・ここは忘れらるる都・・・
「ま、何とか・・・だいじょぶよね・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
エアリス・・・
「・・・?」
ふっと肩に触れられたような感覚に、エアリスは振り向いた。ぼんやりとした人影が、そこにはいた。
見覚えのある戦闘服・・・背に負った大きな剣・・・
「クラ・・・ウド??」
「こら!なんだそりゃ!いくら格好がおんなじだからって!。
さてはてめー浮気してやがんなこのやろー(怒)
いくら俺様が女好きだからって!
クラウドか~
ソルジャー3rdが受からなくて落ち込んでるのを、
俺がよく慰めて逆ギレされてたっけな。
・・・って何言ってんだ俺は」
「え・・・え??」
クラウドとは明らかに違う口調。突然のぎゃんぎゃんとした声にエアリスは目が回る。
・・・?
ふと、、、忘れかけていた遠い記憶を呼び覚まされて、エアリスは翡翠の瞳を大きく見開いた。
「まさ、、か・・・、ザッ・・・クス?」
全くさっぱりそのとおり。ザックスではないか。
「ったく。忘れちまうなんて。俺なんかおまえのことばっか考えて・・・げふっ」
くすっ・・・エアエスは微笑みと共に大粒の涙を流した。
「ふふ・・・」
「おいおい・・・エアリス、」
「ザッ・・・クス・・・会いたかった・・・なによぅ、、んもうホントに昔のま・・・」
エアリスは次ぎの言葉が出ずにわんわん泣き出した。
「エアリス・・・泣くなよ。おまえらしくないぞ?いつも人をば~か呼ばわりしてる奴が。ったく」
ザックスが優しく微笑む。その言葉にエアリスも微笑み返す。
「エアリス・・・、」
優しく自分を呼ぶ声に、エアリスは顔を上げた
「あ~ん?何よぅ」
「エアリス・・・、クラウドを・・・」
「え・・・・・・」
「俺があいつを守りきれなかった分、今度はおまえがしっかり奴を守って、
いや、 “護って” やってくれ」
「ザックス・・・」
「じゃ、な。俺死んでんだからさ。幽霊の俺なんておまえに長く見せたくないワケよ。
そいじゃ伝えることは伝えたし、そんじゃま。また会える日まで」
照れたようにそう早口で言うや否や、ザックスはス―ッと消えていった。
「バカ・・・ “また会える日まで” って死んでからじゃないの・・・」
エアリスはザックスの最後のジョークに少し微笑みを浮かべた後、号泣した。
