ふることふみ

新解釈の古事記 
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第4節:秤に乗るもの

第1話:秤に乗るもの


天秤という道具がある。
均衡、バランスを取るための象徴だし、物の重さを量るためにも使われる。

釣り合うのは、両方の秤(はかり)に乗るものが同じ重さになった時だ。

男がいるから、女がいて、
男だけには決してならず必ず、釣り合う女性が自分を見つめてくる。

繁栄も衰退も
常にどちらもあるのだ。
いつも、楽しいことがあると思えるし、
いつも、どの時代も「この世は憂き世(辛い世の中)」と思えるし

いつも、
絶対的な均衡が保たれているのだ。


大昔、天地開闢(てんちかいびゃく)の折り
長い年月を掛けてミナカヌシが「秩序」を織ってきたのだ。

秩序も所詮、世の中の法則のようなものの前では一部、にしか過ぎなく、
混沌も含めると、、
世の中が世の中として回って行くこと、世の中という『生き物』が存在を保つには
『均衡』という要素が不可欠というか絶対なのだ。

・・・

遥か昔、なつさんが三貴神を生んだ時、
アマテラスという素晴らしい神が生まれた。

配分が10:7という奇跡のような存在で、
生まれながら太陽神の名前を冠していた。


その、あまりの力の強さに、
逆方向の強さ、重さを持つ魂が自然と生まれた。

水の中に、そのやや濃い灰色の魂が生まれ落とされるように、それ、は生まれた。

生みの親はミナカヌシのようなものか。
アマテラスの力の均衡のために反射的に生まれた魂なので、
そういう「均衡」の法則を作ったミナカヌシの子、と言ってもギリギリ行ける、、かもしれない。


美しい男神の魂は、
不思議な空間に保管された。

現代で言うところの、魔法陣が下に描かれ、まるでサイバー空間のような
濃い青の空間の中に、白い電子の文字が光る空間・・・

座った状態で体を屈ませ、その魂はずっと保管されていた。


ミナカヌシはたまにその魂の様子を見に来た。

アマテラスの・・・
光の要素が強すぎるゆえに世の中の均衡が悪くなると、
影の要素として生まれたこの魂。

強い、「逆光」の要素を司る神様である。

光の逆の要素、という意味で
普通の「逆光」という意味ではない。


光の逆だから「闇」という訳ではなく
あくまで影のような存在だ。

昼があれば夜がある。

夜は悪い要素ではなく、
昼があるから、当然のようにある要素。である。

光と影、というと
光が善で影が悪のようなイメージが付くかもしれない。
しかしそうではない。

「それがあるからそれがある」―まずこれをイメージして欲しい。

「あるところに弟がいた」、と聞けば
弟がいるなら兄が或いは姉がいるのか?と思うだろう。

影絵遊びをしている、と聞けば
影があるということは光が当たっているのか?と想像が付くだろう。

当たり前かもしれないが、この「当たり前」がポイントである。
重要なことだ。
それがあれば、それがある。
―そういうことを意味している。


アマテラスの凄まじい力の『均衡』のための存在なので
何かを司る神様というより、「存在」としている感じである。


重い太陽の女神の、重さを均一にさせて均衡をもたらす素晴らしい神様である。
名前を付けるとすれば、太陽が影になっている時の太陽を司る神様・・・


平 将門。
日本で唯一クーデター(王朝を倒そうとする政治的な事件)を起こした武将である。

新皇、を名乗ったのは当たり前だ。
自分自身が10:7の配分でアマテラスの、天秤の逆に位置する存在で、
アマテラスの末裔である「天皇」に対し自身が「新皇」を名乗った―


第7章:その他「第4節:秤に乗るもの ー 第1話:秤に乗るもの」


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