ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第6章:天子降臨

第3話:筆のようなもの


太陽は火、火の二乗のようなものです。
・・・もっとかもしれません。

太陽神の血を受け継ぐ子、、「火火(ほほ)」を付けたい、名前に。


火、の更に上の「太陽」
太陽を表す言葉として「火」をふたつ。
と言う事を言うアマテラス。

火、はそのものが恐ろしく、温かい食事を摂る手段としても使え、
寒い時は癒される。
浄化のために、穢れを燃やしてくれる。

火、は恐ろしい。
神避りさえさせてしまった物質。

太陽、はその「火」の性質にとても似ている。

似た要素を持ちながら、
兄と弟のように違う。


日の子であり、火火(ほほ)という火の二乗。
太陽、という要素を強く表す名前「日子火火(ひこほほ)」という名前が
とりあえず決められた。

この日子火火(ひこほほ)が、後の彦火火出見 ひこほほでみという
名前に繋がる。


かと言え、火を飲み込んだり体内に入れて神を作ることは出来ない。
なにしろあのはるさんでさえ、火の神を生んだ時に神避ってしまった。


しかしアマテラスそのものが太陽、であり
アマテラスが生み出すものが「太陽」そのものなのだから、
火にこだわる必要はないのだが。


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ツクヨミが、
「何か思い入れのある物・・・何でもいいのですので。
ないですか?」
とアマテラスに問うた。

スサノオは机の上にあったお茶をズズーッと飲んで目をつぶった。

うーん・・・と考え込んだアマテラスだったが、
葦原中国での思い入れのある「もの」は何だっただろう、、と思い出した。

アマテラスの子、五柱の男神のうちの次男アメノホヒが
葦原中国の国の物質でアマテラスが創った神が、葦原中国に遣わされるべきだと言っていたので、
アマテラスは地上でのものを、ひたすら思い出していた。


八尋殿(やひろどの)・・・

アマテラスがまだ葦原中国にいて、
太陽の神を司るようにとなつさんに言われていなかった頃の記憶。

今と変わらないツクヨミと、可愛い小さなスサノオ。

何故か男の子のような自分を思い出し、意外に思うアマテラス。

発言力があり、弁が立つアマテラスと、
無口で、何でも文字で伝えようとするツクヨミ(この頃は神代文字)、
何でも絵で伝えようとするお茶目なスサノオ。

アマテラスは静かに立ち上がった。
記憶の海から抜け、一旦現実に戻る。

口語(話し言葉)と文語(書き言葉)と絵の素晴らしさを伝える彼女。
話し言葉は全ての基本、
文章は、紙に書き留めておけば記録にもなる、
絵は視覚的なものなので分かりやすい。
ほぼ話す必要も、文字を載せるのも少なくて済む。


その頃のツクヨミとスサノオは、なつさんとはるさんがすでに発明していた
今で言う「筆のようなもの」を使って文字を書いたり、絵を描いたりしていた。

アマテラスはその「筆のようなもの」を使いたい、と提案した。

高天原の「筆」に該当するものは
葦原中国のものとは少し違い、小さな細い棒のようなものに毛筆が付いていて、色水で以って
文字を書くもの、ではなく
形こそは葦原中国のものと同じような、小さな細い棒なのであるが、
特に毛筆は付いておらず色水もついていない。
葦原中国の、毛筆と色水が付いていないもの、とでも形容するべきか。


確かにそれは地上独自のものだし、良い考えですね。とツクヨミが言った。

葦原中国に行き、めぼしい「筆のようなもの」を取って来る、ということになった。


三柱は散々話し合い、
ツクヨミとスサノオが使っていた筆のようなもの、が作られたであろう「樹」を取って来るということになった。
アマテラスの顔がパアッと輝いた。


第6章:天子降臨「第3話:筆のようなもの」


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