ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第5章:大国主の話

第15話:国譲り


初三柱が完成させた「高天原と葦原中国の国譲りの物語」はこうである―・・・


1、元々、葦原中国は天津神であったなつさんとはるさんが創ったものである。
ゆえに、天が所有するべきものだ。
・・・と天が葦原中国に要求してきた。

2、同時に、初めはアマテラスの長男、「オシホミミ」が地上に遣わされたが、空気が汚いことで断念。
(天はそれだけ空気が綺麗であることと、天津神がお高く止まってるという印象の植え付け)

3、次にアマテラスの次男、「アメノホヒ」が遣わされたが、
オオクニヌシが丁寧に迎え入れ、あまりの人の良さに罪悪感が生まれ交渉を断念。
(オオクニヌシの人の良さアピールと、天津神の人の良さアピールのダブル印象付け)

4、それからも三男、四男、五男がそれぞれ葦原中国に遣わされるが、
ことごとく失敗。
(葦原中国の交渉力や抜け目のなさのアピール)

5、ついに天から、天津神最強神、雷神ミカヅチが遣わされ―
例の、剣に胡坐を掻くスタイルで力を誇示し、
葦原中国最強の風神・ミナカタと相撲で対戦した。
(雷と風の対比。同じ力を持つが、やや雷の方が上。
高天原を立てつつ、葦原中国も強いのですよアピール)
(暴力を使わず、対戦も剣や殴り合いではなく、相撲という方法を使うという平和アピール)

6、ミカヅチは圧倒的な力を誇り、ミナカタを海の遠くの方まで投げてしまう。
(高天原の神は桁違いに強く、高天原にはやはり逆らってはいけない、という牽制の意を込めている)

7、オオクニヌシは穏やかに国譲りを受け入れ、代わりに9:8の配分を持つ、スサノオの子孫として
物質の象徴、「家」つまり宮殿を要求。
(国を献上する代わりに、家をくれ、という『物』同士の交換。
ある意味物質同士の公平なやり取り ― を示す)


※実際の葦原中国最強の神は、スサノオ



これらを、コトシロとミナカタの達筆な字で美しく書かれていった。

(ミカヅチは字が汚い)

ミナカタは字も上手く、製本も手際が良く、
形を整えるための様々な装飾も職人技であった。
当時はそういうものの関係の職人はいないが。


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ある夜―・・・

オオクニヌシと、
コトシロと、ミナカタとミカヅチが鎮座している場所に、
といってもオオクニヌシはだらしない格好で寝ていたが―

アマテラスが降臨した。

あらかじめオオクニヌシとアマテラスの間で前日まで交信があり、
その夜にやってくることが事前に分かっていたのだ。

父親(オオクニヌシ)のだらしない格好を見て、
コトシロは少し立ち上がり掛けながら、アマテラスに一言断った。

「すみません、父上は人望はあるのですが・・・
能力がないのでいつもこんな状態で・・・」

アマテラスは笑顔を向けた。

コトシロは、アマテラスに会うということで緊張してしまい、父親を起こすことを
忘れてしまっていた。

天井には一本一本の棒が太いすだれのようなものが掛かっており、
月の光がボーダー柄のような感じで差し込んでいた。

全然緊張せず、凛とした表情でミナカタが物語の本が重なって入っている、
木の入れ物を持って立ち上がった。

が、転んでしまい、
実は緊張していたことがバレて、その場の笑いを誘った。


ミカヅチとアマテラスが数百年振りの再会を果たし、和気あいあいとする頃に
丁度オオクニヌシが起きた。


だいぶ経った頃―・・・
アマテラスが親しみやすい笑顔を浮かべて
「確認する必要はありませんね。これをそのまま採用します」
と言った。

唖然とするオオクニヌシたちに、
「では以後、この物語に書いてあることを『後世の歴史』としましょう」
と言った。


国譲り、完


第5章:大国主の話「第15話:国譲り」

第5章:完


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