ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第5章:大国主の話

第13話:高天原と葦原中国の物語


スセリヒメは、「私の伯母さまに当たる方なのね~」と小さな声で言った。

固まってあわわ...という声が出てそれ以上は何も言えなくなるオオクニヌシ。

天の、・・・高天原の最高神である。
さすがに固まらざるを得ない。

「あの、怯えないで。驚かせてしまったら御免なさい。
あの」


十分後。

やっと湯呑みに色付きの白湯を容れたものをオオクニヌシとスセリヒメの前に出し、
アマテラスも自分の分を湯呑みに容れ、その前に座った。

オオクニヌシとスセリヒメもその湯呑みの前に座った。


アマテラスは語る。

この国は配分が7:3だから、物質的な守護が普通だ。
標準だから、弱い訳ではないが、台風や津波、地震・・・噴火など。
そういうものが心配だ。
天が所有して、管理したいのだが、いかがだろうか。

オオクニヌシはすぐに拳を握り「いいですよ!是非!」と言った。
「いやぁ、天が管理してくれるなら安心だ」
と言って、
スセリヒメは
「安心ですね。本当に良いのですか?」と言った。

ホ...と安堵のため息を吐き
アマテラスは言った。
「良かった・・・」

自分たちの土地を天が所有することになるのは
住む方々にとってみたらどうだろう、、と思うと思ったと。

オオクニヌシは「しかし、この国は元は天から降りて来たなつさんとはるさんが
創った国だから、、天のものではないですか?」
と言った。

三人は月光の下、ほのぼのと話し合った。


アマテラスは立ち上がった。
引き続き部屋は月光でぼんやりと輝いている。

すんなりと天のものに、葦原中国がなれば、
オオクニヌシとしての威厳とか、下の者に対する示しが付かないでしょう。

高天原と葦原中国で、国の所有権を巡って「こういう争いがあった」という『物語』を作ってもらえないでしょうか?

とアマテラスは言った。


オオクニヌシは、葦原中国にたくさんの子供が、子孫がいるせいだろうか。
葦原中国の代表者的存在になっているようである。


・・・
オオクニヌシは自分には文才がないからなぁ、と悩んだが、
長男のコトシロが文学青年だった、と思い出し
長男のコトシロに書かせる、と彼女に約束した。

同時に、やはりオオクニヌシの息子で、文武両道の建御名方神  たけみなかたのかみ(愛称:ミナカタ)という
息子がいるが、彼も文才があるので彼にも書かせてみよう、と言った。


光の粒が空気中に舞った。

小さな声で「お任せします」
とアマテラスの声が聞こえた。

光の粒と共に、アマテラスの姿は消えていった。


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現代で言うところの「道場?」か或いは小さな体育館のような場所で、
コトシロが、その頃にあった紙ではない仮紙媒体のようなものを持ち、
横にはミナカタが、
もう一方側の横に、ミカヅチがいた。

ミカヅチはコトシロの親友だし、
ミカヅチは天津神なので、

高天原(天津神が住まう処)と葦原中国(国津神が住まう処)の争いを描くために
参考になると、コトシロが連れて来たのである―。


ミナカタ「俺と、君が争う必要があるな」
ミカヅチに言うミナカタ。

「君は天上で戦いの神の代表格と言っていい。
俺は地上で強い神・・・国津神の中では最強を自負している。
その二柱が争う、という表現をするのは・・・」
彼が提案する。

高天原・・・
そこの代表格に僕が。

ミカヅチは遠い思い出に思いを馳せた。


第5章:大国主の話「第13話:高天原と葦原中国の物語」


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