ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第4章:葦原中国での話

第6話:火と太陽


ウルメは高天原の「火の神」である。
生みの親はタカミムスビだ。

カグツチは葦原中国の「火の神」である。


火は浄化の火であり、食べ物を温かく煮てくれる優しいものでもあり、
暖をくれる温かいものである。
同時に、全てを焼き尽くす恐ろしいものであり、その恐ろしさは
神を弑することが出来る、という領域にまでいっている。


はるさんは、そんな凄い(色んな意味で)ものを、
命をかけて地上にもたらしてくれたのだ。

文字通り命をかけて。

そしてカグツチは、三貴神を産むきっかけになった神であると同時に、
あまり注目はされていないようだが、かけがえのない神なのである。



そんなカグツチに、ウルメはずっと会えなかった。
地上の火を見てみたところ、とてもバランスが整っていて美しい火であることが分かった。

天上の火は、強すぎたり癒しが強かったり、天上のみの超常現象的な力が激しすぎて
或いは別の部分が弱かったり、・・・・・・とにかくバランスがあまり良くなかった。


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そんな強すぎる天上の火であるウルメと、
反対に、静やかで消え入りそうなツクヨミの間に子が出来た。

太陽の男神、天真燃大御神あまものおおかみ(愛称:アマモ)である。

天体に、燃え盛る火を灯して、=太陽になったのだろう。


母であるウルメは彼女自身が「火」のため、
同じ属性である?「太陽」を産むことが出来た。

火、そのものは葦原中国にはどうしても負けてしまうが、
太陽は、高天原の役目なのね、産むのは。とウルメ。

精神と肉体の配分は、
「10:8」

アマテラスの精神性と、
スサノオの物質性。

両者を兼ね備える、至高の存在であった。

ツクヨミは気付いていないが、
一番目立たなかったはずのツクヨミが、
とても目立つ子を成したことになる。


アマモは太陽の神殿に行き、
アマテラスの補佐をした。

アマテラスはいずれ、自分の後継者に・・・とアマモを考えていた。

太陽神が二柱いるという事実は、
高天原の神々にとって例えようのない幸福感と喜びを・・・あふれさせた。



ツクヨミとウルメにはもう一柱、神が出来た。
その直前まで、世界が妙に、もたれかかっているような不思議な感覚があり、
皆が不思議がっていたが、その日を境に、その現象が収まった。


・・・
生まれた子は、何故かすぐに名前を付けるべきなのに
全く名前が付けられなかった。

頭から記憶がすぐに消えたり、文字を一時的に忘れてしまったり。
ツクヨミとウルメはとても恐怖した。

生まれたのは男神だったのだが、
彼は生まれてすぐに剣を取った。

剣は神聖で、剣を持っている間は、「精神:物質」配分が他人から見えない。

ぞっとするツクヨミ。
生まれながらにして、色々知っている存在。
そんな・・・ひとりしかいないはずなのに、・・・

それは姉のアマテラスだ。


しかし。
彼からはアマテラスのような「光」は・・・そういうのは感じられない。
逆方向の強い力だ。
それも、本当に途方もなく・・・。

ウルメは思った。
均衡なのだと。
アマモと均衡を取るために。あの子は。



気付くと、ツクヨミとウルメは目を覚ました。


ふたりは、ふたりめの子が生まれたことも、目が覚めるまでのことも
全く覚えていなかった。


第4章:葦原中国での話「第6話:火と太陽」


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