ふることふみ

新解釈の古事記 
TOP章ごとの目次第1章:天地創造

第3話:生命の本質


ふたりで何とかするしかないのだろうか?と思うふたり。

ひとりひとりでも、ものは作り出せるが、もっと大きな力が必要だろう。
独神のような力があればなぁ、とはるさん。

『・・・独神(ひとりがみ)はめったに生まれない。
色んなものが誕生するには・・・
独神を待っていられない』

ふと、少し前のミナカヌシの台詞を思い出す彼女。

「わたしたちふたりで・・・合わさって『独神』みたいな力を得られるようになったから、
そういう時期になったから、降ろされたんじゃないかしら」

『まだ駄目だな』
と言われていた時はまだふたりは力不足?だと思っていた時だったのかもしれない。


ふたりは考えた。
ものを作り出すには、体内のものが必要なのだ。
唾やら、涙やら、鼻水やら。

ふたりの体内にある液体を混ぜ合わせたらどうだろう?となつさんが提案、
それはいいわね、とはるさんは同調した。

体が丁度合わさる方法があるといいんだけど、とはるさん。

体の話をしているとはるさんは突然何かを思い出した。
男女一対の夫婦神、というのが現れて五代目、自分たちは「完成された男女」のはずなのに
体がおかしい、ということだ。

「私が、ここがへっこんでるんだけど、あなたもそうでしょ?何なのかしら」

「僕はでっぱってるけど」

そこでふたりは、そこが鍵なのかも、と思った。

他にも探してみようと、色々見てみたが、
せいぜい、でっぱっているところと、平坦なところ・・・ぐらいしか組み合わせがなかった。


最初に話した部位が、恐らく独神への道で何か大きなものが生めるのだろうと、ふたりは確信を持った。
体液もある。
粘膜の部分のため、必然的に体内の水分が合わさることになる。

早速そうしましょう、とふたりは近付いたが、


う”っ、、と立ち止まってしまった。


体でものを作る、というのが、
そういう概念が、
心で作る・・・という感覚に襲われたというか、そういうものが付随したのである。

なつさんは「これって特別な気持ちでするものなのかな?」と言った。

はるさん「心が求めあってするものなのかも。心が・・・するもの?なのかも」


・・・混乱するふたり。



天に届く柱は、
「天之御柱(あまのみはしら)」
宮殿は
「八尋殿(やひろどの)」
と言う。

そのふたつの建物の真ん中の草原で、夜、ふたりは話し合った。

肉体で生み出すものなのに、心ってのが何で付いてくるんだろうねぇ。
きっと、男女がくっつくように、接着剤的なものが、心に張り付くんじゃないかしら。

それが「愛」なのかも

ひとつになるために、精神と精神をくっつける接着剤。
それが「愛」・・・


じゃあ精神て偉大なんだねぇ。
精神ていうか愛だけど
とはるさん。


優しく微笑し、
目に見えるものが「物質・肉体」で
目に見えないものが「精神」だから

愛、だって「精神」だよ

となつさん。



精神て大切ね


なつさんは立ち上がった。
「そうだね。丈夫な「肉体」ばかりを重視するんじゃなくて
「精神」も重視しなきゃね」


この話し合いが、のちの日本人の精神を決めていく。


第1章:天地創造「第3話:生命の本質」


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