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第7章:その他

第3節:改名

第2話:言霊

新解釈の古事記


中臣命は何度も忠告をしてきた。

自分は主人思いで、アマテラスに暴言を吐いてまで忠誠を尽くしてきた。
そんな暑苦しい思いは、葦原中国の気に影響し、何かを生み出してしまうかもしれない。
害のないものならいいが、人に迷惑を掛けるものなら大問題だ。

「中臣」という名前が出来たこと、自分とそっくりな顔の若者が出来たこと。
これらは偶然という線もあるが、ほんの少ーしくらいは何か影響を受けた結果なのかもしれない。

私の影響に拠るものが万一少しでもあれば、ひとこと忠告をしたい。

主人の命令は絶対だ。
何があっても。
命より大切なものだ。

私の影響を受けた者として―仮の話で、するが、
最上の家来として、いるという事が私には分かる。
そうあって欲しい、君たちも。




あの日―・・・


何とかしたい、と思い、そして願いを叶える力―
それがおまえの力だ。
俺にはない―

君には君の生き方がある。
応援してるよ


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夜になり、部屋には灯りが灯された。

暗い暗い顔で中臣命が言った。

「あの方が言った。私には実現可能の力がある、と―
言霊がきっと大きく働いただろうから、
今頃とんでもないことに―」

口を開けたまま、何も言えずにいる史。

ぱっと顔を上げて中臣命が言った。
「だから!
危険なことを考えてはいかん!
例えば権力のこととか。
・・・きっと全部実現してしまう」

気付けば、中臣命は、史の両肩を抱いてゆさゆさ揺らしていた。

ミカヅチが吐いた言霊は強く、
そして激しく感銘を受けた直後に言ったものであるから、
とても強く出てしまう・・・

このような主旨の内容を聞かされる史。


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現在。

史は、いや不比等は名前の通り、ふたりといない素晴らしい人物になった。
あくまで能力が・・・と言うべきか。


暑苦しい自分を思うと、自己主張すると危険だからあまり自分を出さないように。
権力を持つと目立ってしまい、その性格で以って国を騒がせてしまうから、権力を持たないように

主人(天皇)の命令は絶対。自分が生きてしゃべっているのも、そして存在しているのも主人がいるから。


・・・
真逆の人間になってしまった。
と不比等は思う。

自分のやりたいことを通すために、権力を欲するようになった。
そのためには主人(天皇)さえ利用した。
娘たちをどんどん嫁がせて・・・


「あまり自分を出さないように」
「権力を持たないように」
「主人(天皇)の命令は絶対」


国のためにやっているんだ。
天皇だって利用してるかもしれないが、
それも全部、―国のためなんだ


国のためなんだ

国はミカヅチ様が・・・

不比等は泣いた。
声が漏れないようにしたが、少し漏れてしまう。


何とかしたい、と思い、そして願いを叶える力―
それがおまえの力だ。
俺にはない―

君には君の生き方がある。
応援してるよ


第7章:その他「第3節:改名 ー 第2話:言霊」

第3節:完


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