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第4章:葦原中国での話

第9話:裏の力

新解釈の古事記


二柱の太陽神がいる状態になっている。
天照大御神  あまてらすのおおみかみ
天真燃大御神あまものおおみかみという
女と男の太陽神が。

太陽の威力を鎮めるためには、同じだけの月の力が要るのかもしれない。


記憶の何かが抜かれ、世の、偏っているような妙な重圧感のある空気が消えた。

太陽神二柱の力を打ち消すような、『月の神』でも出来て・・・
それでこうなったのでは?
と思うウルメ。

記憶を抜いたのはその「強い(仮)月の神」で
その子はいま何処に?

と、不安になってずっと「月の神」について調べていた。
従者。使いの者、補佐役(こういう神々は特に名前はなく、『○○の△△』という名前が付けられる)・・・

アマモが生まれてから、世の中に重めの偏り空気が出来て、
それでいきなり解消されたのだから、

「その期間」・・・だ



ハッとして後ろを振り向くウルメ。


ふわふわのソファーのような、高床式寝台。

「・・・という訳で色々調べていたのです」
少し変だろうか?と思いながら言うウルメ。

寝台のヘリに座りながら、静かに聞いているツクヨミ。


しかし・・・ずっとそんな「月の神」は見つからなかった。



男性要素が強い存在は、自分より優れている存在にふれると
「尊敬」し、「配下に就こう」とする。
或いは「闘争心」が出る。

女性要素が強い存在は、自分より優れている存在にふれると
「嫉妬」し、「足を引っ張ろうと」とする。
或いは「劣等感」が出る。


ウルメは思い出す。

「あの時期」のツクヨミは女性要素が多かったかもしれない。

普通はあまりない「嫉妬」の感情を露わにしていた。

目立つ姉を羨ましいと嫉妬し、
劣等感をかもし出していた。

勇猛な弟を心底羨ましいと言い、
やはり劣等感を露わにしていた。


嗚呼
そういえば。
とウルメ。

不吉なことをしたんだった。

例えば、はるさんとなつさんは、
「女の方から声を掛ける」という不吉なことをしてカグツチが生まれてしまった。


清められた場所で、
そんなことを・・・
思い出しながら、もしかしてその時に・・・?と恐ろしい想像をするウルメ。

不吉なことをしたから、
女の要素(裏の要素)が・・・出たのかも。
と思う。


びゅうぅぅぅっーっ!
と森林内の大木が、木の葉たちを散らせながら
「その通りさ!」
と驚かせ、そんな訳ないって(あっさり)と言うように、その身をゆすった。



まとめ

1、不吉なことをして、子を成した可能性がある(あくまで可能性)。
2、記憶を消す&太陽の気を中和?させる力からして、相当にアレな何か。


第4章:葦原中国での話「第9話:裏の力」


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