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第4章:葦原中国での話

第17話:贈り物

新解釈の古事記


「根の国に行くのですよね?」
とクシナダヒメ。

ここにいるということは、
彼女も来て、何かしよう(研究とか?人形の材料集めとか?)としているのだろうか。

スサノオ「あなたも根の国に行くのですか?」

クシナダヒメ「あ、いえ。根の国でもいいのですが・・・」

しばらく世間話をしていたのだが。

どうやら彼女が自分に気があることが分かった。

くるり、と根の国への入り口の方向を見るスサノオ。
「(といえ、レディを根の国に連れて行く訳にはいかないしなぁ)」

仕方ないから、彼女の実家の、出雲地方に行くか。
ということになった。

スサノオは「見捨てる」という選択肢がないので、誰にでもこうなってしまうのだ・・・

何故そんなにあっさりなのか・・・
『女性は危険な目に遭わせない』
これが彼の信条(鉄壁)だからである。


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まず

1、近くに海があること
=海の神なので、治めるのに丁度いい
(配分が自在に「3」に出来るので今は面倒がない)

2、近くに森があること
=家を建てるには樹が必要

このふたつにぴったりな土地を求め、一緒に探し回るふたり。
ご飯は、姉のオオゲツヒメの種を大量に隠し持っていた&高天原で姉のアマテラスから
種をたくさんもらっていた、というのと、
旅に行く前にクシナダヒメが色々干し飯(保存食)を持ってきた、などがあった。


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やっと、条件に見合う場所を見つけ、そこに腰を落ち着けることになった。

器用で速いスサノオは、サッサと家を作っていった。
クシナダヒメは畑を作り、
種をまいて作物を作っていった。

※この頃の作物収穫速度は、神様と人間とで違い
基本的に一種類の種につき、早くて二時間、遅くて半日で収穫出来る。

「(スサノオ様が食いしん坊だから私全然食べられないよー)」
片っ端から、作物で出来たご飯をスサノオが秒単位で食べ、
そこの種からまた作物が出来るのを待ち・・・

いい加減にして!とクシナダヒメが言い、
スサノオはコントロールするようになった。

今までは「8」だったのでそれが影響していたのだが、「3」になって
抑えられるようになったのだ。


しとしと......

ある休憩時、ふたりが壁に寄り掛かっていると、
通り雨が降った。

何となくクシナダヒメを見るスサノオ。
前から何となく、彼女に不思議なものを感じていたのだ。

あっ 姉上と髪型が瓜二つだ。

アマテラスの髪型の女性を、生まれてこのかた、見たことがないスサノオ。
とても驚いた。

・・・
雨はどんどん降る。

アマテラスの凛々しさ、気高さを取り、
可愛らしさを増した感じだ。

正確に言えば、アマテラスは「綺麗系」であり「可愛い系」ではないのだが・・・。

アマテラスの奥に隠れている、可愛らしさというものは分かりにくく、
それがクシナダヒメに全部!出ているような感じである。

全然知らなかった。
姉に似ていたなんて。
しかも『可愛い系姉上』。

雨がやんで灰色の雲が立ち込めている中、スサノオは空を見上げて言った。
「きっと、、色々あった俺に、天がくれた贈り物だな」

そして目をつぶり、穏やかに微笑むスサノオであった。


第4章:葦原中国での話「第17話:贈り物」


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