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第2章:国造り

第3話:愛しの君へ

新解釈の古事記


なつさんはそのまま倒れ、夢を見た。

吐しゃ物から鉱山の神、
尿から水の神、
便から土の神、
血から剣の神、
膿から栄養の神、
鼻水から薬の神、
汗から塩の神・・・

たくさん産んだよね。
っていうか産みすぎだよね。

死にそうな非常事態だからこそ、
たくさん神様が産めると思い、
はるさんは頑張りまくったのだ。

ムクリ...となつさんは起き上がった。

まだ、国造りは・・・完成していないよ



夜、いつかはるさんと、
ものを「産みだ」すには
肉体だけじゃ、駄目なんだね。心も必要なんだね・・・

としんみりと言っていたあの日を。思い出していた。


一瞬、信じられないくらい美しい女神が現れて、すぅ・・・っと空に上がっていった。

泣沢女神 なきさわめのかみである。

手の平を見た。
人差し指と中指に涙の跡があった。

そしてスッと消えた。

「(涙の跡か・・・)」
はるさんを想っての、涙が神を産んだのだ。




水の夢。




彼は、絶対にやっちゃいけないことをやった。
絶対にそれだけは!という。
マナー違反というか。


結構陽気に黄泉の国へ繋がる、黄泉比良坂(よもつひらさか)を歩いて行った。


第一の扉があり、そこでの門番の存在と言い合うなつさん。
「なつさん、こんなことすると精神:肉体、の配分が、葦原中国と同じになってしまいますよ。
あなたがお創りになった・・・」
「それでも構わない!」

ちなみになつさんの精神:肉体は『測定不能』である。

門番は扉の中にいて、そして扉は横にすごーく長い。

あまりになつさんが通せ通せとすごいので、
とうとう門番は折れ、
「すぐに戻って来て下さい(涙)」
と、扉を開けた。

ちなみに、右から開く。



二番目の扉。
負けずにガンガン、理屈をこねて、門番を言論で言い負かすなつさん。

「すぐに戻って来て下さい(涙)」

二番目の扉も開いた。


三番目の扉。
分厚くて、中から聞こえる門番の声はとても低くて太く、威圧感のある声だった。


だいぶその門番に手こずるなつさん。
しかしとうとう、門番がこう言った。


一番右の端の、だいぶボロボロになっている場所に行って下さい。
小さな窓もあります。
そこへ、はるさんを連れてきた。


第2章:国造り「第3話:愛しの君へ」


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