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もぐたーめん

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ティルルの家はおもちゃ置き専用部屋がいくつもあるくらい、おもちゃで溢れていた。

両親は常にどこか違う国に仕事に行っていて、誕生日・・・ティルルの誕生日には豪華なおもちゃを贈るのだが、その日に帰って来たことは一度としてない。

クリスマスの時だけはサンタの格好をして「メリー・クリスマス!」とやってくるのだが。

『有難う。ママ』

おもちゃを貰うたびに心底嬉しそうな顔をするのはもちろん演技だ。


齢5歳頃にして、ティルルは立派な女優になっていた。

『抱っこして』を言ったことは一度もない。

言っても無駄だというのを知っていたから。

聡い(さとい)子だった訳ではない。
この状況が無理矢理こういう考え方を生ませた、、と言える。


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ティルル=ここは『元の世界』なので勿論「本名」で呼ばれています。が、便宜上「ティルル」と筆記しています。

※アルキスも同様。


父親『賢泉大学の学生さんだそうだ。
理系でね。あ、理系と言うのはカネが掛かるんだが。
それでうちが援助をすることになったんだよ』

アルキス『はじめまして。ティルル様』


一面の草原。

バーッとかけっこをしてとても疲れた頃にアルキスの元に戻った。


ティルル『アルキスはどうちてーうちに来ることになったのー』

アルキスは語った。
父親が病に倒れ、母親も幼い頃に亡くなっている。
父は知り合いであるティルルの父親に大学費用について相談し、ここに来ることになった、、と。


フイッ

ティルルはムカーッとしながら顔を背けた。

『(パパは困っているから助けたんじゃないわ。
このおにーたんが賢泉大学だから助けたのよ)』

ティルルは表向きはハンサムだが、冷酷で損得勘定でしか動かない父親を思い浮かべ、
クッと唇をかんだ。

アルキスは不思議でしょうがなかった。
5歳でかなりの言葉を知っている。

『(苦労したのかな)』

ティルルの生い立ちを思い、色々考える。

ティルル『アルキスはどうやって賢泉大学にはいったのー』

アルキスは言った。
子供の頃ジャングルジムで遊んでいたら、異次元に行ってしまった。

そこで『グレムリン』を創った「モグターメン博士(Wiki参照)」に会い、話している内に意気投合してしまい(博士は翻訳機を持っていたと思われる)
頭の中をいじくられることになった。


アルキス『出来ればあの惑星にずっと居たかったんだけども』

生まれ育った星に帰りなさい、と言われ地球に帰ってきたのだと言う。


ティルル『へー!(5歳の子供はこういうのに疑いの気持ちは持たない)』


それでアルキスのIQは史上最大になったのだと言う。

(計測不可能)

それならばいくらでも財を築くための方法だとかを捻出して大学費用を作れそうなものだが、
「お金」に関して自分のIQを使うのは、

世界中の飢えた人々や、色々苦労している人たちに失礼だと思い、それだけはしなかった。

あくまでお金。
生きていくのに最も基本なものなので。
それだけはフェアでありたいと思った。

(いい人だ・・・)


ティルル『わたちもその惑星行きたかったな』

アルキス『面白いところでしたな』


アルキス『元々の頭で賢泉大学に入った訳じゃないんです』


ティルルは楽しくなった。

『(こういう人たちがいい大学とかに入ってえらい人になって欲しいなー)』

それはそれで混乱が起こりそうではあるが・・・

(マイペース過ぎて)


ティルル『あるきすー』

アルキス『謎の平仮名』


ティルル『ずっとそばにいてくれう?』

パパとママは私をろぼっとだと思ってるわ

アルキス『養うために色々と忙しいのでは!』


ブンブンッ

『最初はそうだったけど、だんだん、もうわたちをろぼっとみたく・・・』


・・・

しーん

ふわ・・・
優しい風が吹く


・・・

ティルル『パパとママはあたちのこと嫌いなのかなぁ・・・』

そんなことありませんよ

きゅううっ

アルキスはティルルを抱きしめた。


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『言うこと聞きなさいよ!
私ひとりじゃ恥ずかしいじゃないの!』

アルキス『ゲームをやっている暇は・・・』

パッチーン!!(すぐビンタする)

ラグナロクオンライン。

三次元を模した仮想世界多人数参加型オンラインゲーム。

街角で配られていた可愛らしい女の子キャラのシールが可愛かったらしい。


ティルル『アルキス、ラグナロクオンライン、一緒にやりましょ?』

アルキス『うむ(←諦めた)』


ティルル『あなたなんて大っ嫌い!
ちょっと私が優しくしてやったからって!
柴犬に降格処分よ!』


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ミルドレッド「あ、アルキスさんが・・・大変です!
ティルルさんひどい・・・」

一連の話を聞いたミルドレッド。

樹の上に小屋があり、そこから満天の星空を眺めている。
(もちろん仮想空間のだが)


ティルル「そうかしら?普通でしょ」

我慢強いのは落ち着いている性格だからなのか、IQで何かを処理するがゆえなのか・・・

いずれにしろ、アルキスの精神衛生を心配するミルドレッド。


でも

ティルル「まだたまに
ママとパパの「こころ」っていうのかな。
「もの」ばかりだったから。
欲しくなるのよ

こころ、はアルキスからもらって

もの、はママとパパ・・・

分解されたロボットからもらってるみたいよ」


もの、とこころは同じところから受け取るべきなのだ。

ものがARH+型で、こころがARH−型だとしたら、合わさった時に拒否反応が出るかもしれない。

「同じ」じゃないから・・・

体が男性で、心が女性だったら 対応する人は最初その人に対応の仕方を聞かなければいけない。(知らず知らずに失礼なことをしないように)


『分解されたロボットからもらってるみたいよ』


下を向きながらミルドレッドが言った。

「でも、これから分解されていないロボット・・・いえ、そんな無機的なものではなくて。
有機的な・・・そういうものがティルルさんにたくさんやってきますよ」

ティルル「うん。ありがと」


ふたりはそのまま、小屋ですやすや寝た。

満天の星空の更に上・・・

現実の星空の何処かから、

おおいなる意思からなのか・・・
モグターメン博士がティルルを見ていた。


『これから(略)そういうものがティルルさんにたくさんやってきますよ』
ミルドレッドの先程の言葉。

気まぐれに、そうだよな。とつぶやいて、博士は「アルキス」のIQをそのままティルルに移した。

モグターメン「これが本当のクリスマス、だよ」


 

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