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巨大な・・・

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とても昔。
遠い昔。

あの日、メイチーはゲフェン(魔法の都市)の街に消えた。


メイチー『またよ。依存されやすいのね』


アレクシスは何も言えなかった。

その日は氷雨が降っていて。

悲しそうな彼女に
『気にするな。気にしたら負けだろ?』

と言ったアレクシス。


彼女は異常とも言えるくらいに「人から依存」されやすかった。

冷静な人間もメイチーと知り合うとおかしくなり、
メイチーが去ってもそのおかしさはずっと治らずに続く。

何故かシャオイーだけはその謎を知っていた。
これこれこういう要素があるからそうなのだろう。と。


しとしとしと。


しとしと。


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メイフィールド家。

アレクシスの家。

ジュノー(シュバルツバルド共和国の首都)に
書類を取りに、明日は早くから発たないといけない。

アレクシス「ふぅ」


ワイアット「兄さん、父さんが呼んでるよ」


一番下の弟が呼んでいる。



もうそりゃすっごいどしゃぶりなのに・・・

その中で話そうとする父。


アレクシス「父上、屋内で話しませんか。
風邪をひいてしまいます」


父親は濡れた体で振り向いた。


「ヤオ・メイチーはやめておけ」

・・・

父親「あの女は何か巨大な悪を抱えている。
おまえは破滅だ」

・・・


本当にこれは風邪ひくという感じの雨は降り続けている。


あの女は巨大な混沌だ。

「誰もが吸い込まれ、破滅・・・待っているのは・・・」



屋内。

『だが。・・・恐らくおまえたちは一緒になる。
取り込まれないようにしろ。それだけだ』

父親の先程の哀しげな声。


アレクシス『私は妻を取りません。面倒なだけです。
メイチーは友人です』

父親『俺には分かる・・・
おまえでさえも・・・
いや。おまえなら或いは』


何を言っているのか分からない父親に「(少し疲れてしまっているとか)」と考えるアレクシス。


アレク。

『何があっても。自分を見失うな。
あの女に負けたらおまえを・・・』

何故、そこまで、、と思うアレクシス。

『(何かに負けたら「父としておまえを成敗する」ということか)』


『またよ。依存されやすいのね』

ふと思い出した彼女の台詞。


しとしとしと。


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『危険人物A〜F』

明日ジュノーの大図書館で探してくる書類のリストである。
この時期に新しいものが配布されるため、各街がジュノーに行って取ってくるのだ。

危険人物はAからFまで分類されており、
Aに近ければ近いほど危険度が増す。

A判定は『国家が滅びるレベルを超え』る。


何となく。

「(見たくない)」と思うアレクシス。


A判定者やB判定者などは自身の危険度を知らず、
そのままブリンガー(内に秘めるだけで表に出ない状態)としての一生を過ごすパターンばかりである。


A判定者やB判定者は全くいなく、(十何年かにひとり出るレベル)

通常の「レベルの高い危険人物」はC判定者である。

C判定者が見つかった瞬間、「本当か???」と館内の人間たち全員がやってくる騒ぎになる。


『危険人物』というのは悪い意味もあれば、
神聖な意味もある。

その人物に悪事を働けば悪いことが起こるという意味での『危険人物』という訳だ。
しかしそういう人間はめったにいない。


『ひゃっほう!』

ノリーンがwis(1:1対話)をアレクシスに飛ばしてきた。


アレク〜元気ぃぃ?

いつもの彼女の声。

ノリーンは『シャーマン』という職業に就いている。

一般の冒険者の職業とは違う、極めて特殊な職業だ。
シャーマンとは、祈祷したり神託をしたりなど霊的な要素の深い職業である。


(しばしのおしゃべり)


『えー?私、男の人な気がするよ?A判定』

アレクシス『・・・え』

というか、いるのか?A判定が。


うーん

『徳が高そうに見えて、、実際高いんだろうけど。業も背負ってるわよ〜
重いわねっ』

・・・

メイチーのことを訊くアレクシス。

『レンレンさんレベルぐらいならすぐ分かるんだけど。
なーにも感じないからF判定すら行ってないんじゃない?』


レンレンは紛れもなく『A判定』だ。

しかし彼女は大陸中にその存在やら力を知られており、危険人物というか
「名物的存在」として普通にも認識されている。


アレクシス「(父上の勘違いか?シャーマンのノリーンがこう言うのだし・・・)」

混乱するアレクシス。


『アレク?大丈夫?

とにかく、その「A判定」の男に気を付けることね。
一見優しそうで穏やかよ。
一筋縄じゃいかないわね〜』

楽しんでいるように思えるノリーンが少しの癒しになるアレクシス。

暗い気持ちになっていたので・・・。


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『恐らくおまえたちは一緒になる。
取り込まれないようにしろ。それだけだ』


メイチー、
今、君に会いたい。

「(でも、、どうしてもwisが出せない)」

底知れぬ不安と恐怖を感じるアレクシス。


 

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