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スペルバウンド

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主題がすっかり後になってしまったが(程があるだろう)
クリスティンとアルドヘルムは別れた。


深く想いあってはいたのだ。

ある意味、エメラインとジョセフ以上な部分も、あるにはあったかもしれない。

むしろ美織とアレクシス以上だったかも分からない。



しかし、、

病的に照れ屋だったのだ。

ふたりとも。


単純に、プライドが高かった訳でもなく。

幼稚すぎたのであろう。


いつも背を向けながら

本当は想い合ってるくせに

「あんたなんて何とも思ってないんだからっ!」

「僕だってだいっきらいです!」

と・・・

背中で語り合っていた。


暗殺者と殴り聖職者同士、、お似合いかもしれない。
愛情表現が。


「キスさせてくれ」

離婚をする前に、離婚手続きをする前にアルドヘルムが言った。

(さすがに口調が変わる)

「まだ離婚していない。まだ、亭主である俺に最後の命令をさせてくれ」

キリッとした表情に、

「やだぁ 何言ってンのぉ」

きゃっはははは

そうして、アルドヘルムはクリスティンを抱きしめ

「最初から、こうしていれば良かった

ずっと出来なかった ご免」

と言った。

固まるクリスティンだったが、、


ガリッ!!

とアルドヘルムから身をはがし、

「おっそいのよ!ばっかっっ!!」パチィィィィィーンッッ!!

とビンタをかました。


(アルドヘルムは5Mくらいふっ飛んだ)


(略)


ちぅ〜〜(飲み物を飲んでいる)

レモンジュースを飲みながら、、ふたりは体育座りをした。

目の前にはキラキラ光を反射させた川が流れている。


アルドヘルム「まだ俺は夫だ!夫の言うことを聞けコラ!」

クリスティン「いやよ!あんたなんてだいっきらい!」


(略)略ばっかりだ


アルドヘルムは言った。

夫だから言う。

夫じゃなくなったらもう言えない。だから聞いてくれ。


「さっきのは夫婦のキスじゃない!恋人のキスだ!ずっと忘れるなよ
おまえの胸に刻むんだ分かったか!」


クリスティン「ばーか ・・・忘れる訳ないでしょ」


ふたりは顔を見合わせた。


結婚や恋愛の向かない、暗殺者。闇に生きる者。


最後の抱擁。最後のキス。

ファーストキスの味はレモン味だった。
偶然にも・・・


「ずっと仲間だけどさ。夫婦はもう終わりね」


・・・そうしてふたりは別れた。


(あくまで夫婦として)


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アルドヘルムはナイトライド氏の部屋にいる。

手当てを済ませ、(ヒールなどの回復魔法では全く追いつかない傷なので、手当てはかなりの時間を消費した(どれだけ酷い傷だったんだ・・・))

休ませているのだ。



クリスティンは窓辺から外を見つめながら 前から疑問に思っていたことをずーっと考えていた。


クリスティン「(プロポーズされた日、、どうしてあの花びらの夢が出てきたのかしら)」


アルドヘルムとあの花びらの夢は何か関連性でもあるのだろうか。


「・・・・・・」


何だかイヤなことを思い出しそうな気がする。

シャッ!とカーテンを閉め、考えるのをやめようとするクリスティンだった。



湖に浮かぶ、、頭だけ出している 目をつぶった

赤ん坊


ちゃっぷ ちゃっぷ



駄目だって言ってるのに 何で思い浮かぶの

気持ち悪い!

片手で頭を押さえるクリスティン。


・・・


ちゃぷ、、ちゃぷ・・・


・・・

でもあの赤ん坊、、恐くはないの


「(何故・・・?)」



カチリッ!


大音量で音楽を掛けた。


クリスティンはクラシック音楽が大好きだ。


「(音楽聴いてさっぱりしなくっちゃ!)」


うろうろしながら、


香水でも掛けようかな。


ごそごそ部屋から取り出そうとする。


「(エメラインから「クリスティンちゃんにも1個ずつ買ったの〜v」と押し付けられたものがたくさんあるはず・・・)」


ごそごそごそ


「ん」


何気なく手に取ったその香水。「SPELLBOUND(束縛)」


うっ!


カチャンッ!

思わずその香水を投げてしまう。



はぁっ はぁっ


え?


音楽は流れていた。


曲名は「Chopin Nocturne Op.9 No.2」であった。


裏腹に、キレイに流れる曲。


いつまでも 不思議な空間が漂った。


 

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