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類は友を呼ぶ―2―

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セイラ「それだけ、深い愛憎があったのでしょう。

刻印を刻むなんて普通有り得ないですから」


先程の、セイラの言葉。


「(分からないわよ!)」


何度も何度も、

心の中でつぶやく。


確かに、彼はそう言った。


「おまえだけだった」と。



アーシェは?

アーシェだって辛かったはずなのに

どうしてそんなに前世にこだわるぐらいなら、アーシェを思い出してあげないの


アーシェ


私だってずっと忘れていたわ

あんな酷いことをしたのに

母親がこんなので、父親すらこんなので・・・


ぐっ と目をつぶる


「(赤ちゃんが苦手だったのは、刻印を刻まれる前からだったわ)」

時期的に・・・


アーシェへの罪悪感からだったのね。


私は決して子なんて作ってはいけないって

体が、細胞が、精神が 命令していたんだわ



愛情表現は難しいものだな
ずっと 一生涯 おまえを・・・



全然分からないわよ



精神性の高い人と、知的な意味で優れている人は


女と男ぐらい違う

天と地ぐらい違う


ひとくくりにするもんじゃないぜ



クリスティン「・・・・・・」


先程のライナスの言葉が頭をよぎる。


クリスティン「(すごく違う。そういうことね・・・)」


同じ人間のはずなのに、

天と地ほど違うのね

男と女って


・・・


考え方がそもそも違うから、

「愛情表現」だとか、

全然それぞれ違うし、 分からないもの、分かりにくいもの

なのかもしれない。



愛情表現は難しいものだな
ずっと 一生涯 おまえを・・・



カタン


セイラが椅子から立ち上がり、

「大丈夫ですか?」

と声を掛けてきた。


クリスティンが目をつぶったままずっと無言なので

どうしたのだろう?

とさすがに心配になったのだ。


ライナス「さっきの、やりすぎちゃった?
それだったら御免」

クリスティン「あ、違います。
ちょっと考えていただけです」


先程、ライナスは 内側に眠る呪いや刻印、心的外傷に関わる事象、そういったものを看る「ヒューマ」という医学用魔法スキルを使った。

ただ「視る」だけではなく、深く探りを入れて、事象に対する細かい事柄、関連付いた物事など、多くのものを見ることが出来る。


それによって分かった、クリスティンの過去の記憶、前世との関連、そういうものを
クリスティンに細かく説明したのだ。


ちなみに、「テュピー」という完全に心を開く魔法(主に恋人同士が使用)を患者自身が自分に掛けないと医師はヒューマを掛けられない。

(患者のプライバシーを守るための処置制度)



ライナス「いずれにせよ」


もう彼は決着を付けたんだ。

刻印を刻んでいた水晶も、彼は割ったみたいだしな。

このまま、彼を見守ってあげるのが、愛だよ


「(ああ だから)」

もう、あの悪夢を見なくなったのね。



・・・



あの人の顔が浮かんでくる。

地界に行くあの人の、、


アルドヘルムさんの顔まで浮かんでくる・・・

元気かなぁ


・・・


クリスティン「(どうして、、私は 愛情表現がひねくれている人ばかり、選ぶのかな)」



類は友を呼ぶ



先程のセイラの言葉をすっかり忘れているクリスティンであった。


 

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