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ハーブティ

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ハッハッハッ


クリスティンは裸足で走っていた。

辺りは暗闇。

森林内である。


ハッハッハッ


くるっと振り返る。


ぶわぁあああ


クリスティン「(うっ!)」


ものすごい数の、蜂の巣のような花びら。


こっちに向かってくる。



すぐに向き直り、走る。


クリスティン「ハッハッハッハッ」


疲れた!


あ、湖!


目の前には一面の湖。


でも、後ろには花びらたちが!!



うろたえてたら、ばしゃーん!!



冷たい水の中に落とされる



クリスティン「(え?何もしてないわ・・・動いていないのに)」



上からは びゅううぅぅぅ と花びらたちが落ちてくる。



「・・・・・・」


体全部が湖に浸り、顔だけ出るクリスティン


周りには、花びらたちがくるくると水面を舞っていた。


まるで、水葬された人のようだった。


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クリスティン「(私が、、水葬・・・?
いずれああいう風になるの・・・?)」


ここアルナベルツ教国の首都、「ラヘル」近辺。

鳥人間、というモンスターが生息している場所である。


がしっがしっがしっ!


クリスティンは狩りをしていた。

(狩り=モンスターを倒してレベルを上げる行為)


クリスティンは殴り聖職者である。

聖職者は通常は人の傷を癒したり、力を増幅させたりなど、
自身に腕力はないが、パーティメンバーを助けるという役割を担う。

しかしたまに、「殴り聖職者」、通称「殴りプリースト」なる、

自身に力増幅魔法を掛け、自ら敵を殴るという聖職者も生まれる。


クリスティンは兄のナイトライド氏が大好きであった。

クリスティン「おにーたん♪」

・・・などと呼ばず、


ず〜っと小さい頃から「ナイトライド『先生』」と呼んでいた。

兄なのに・・・


それは、大好きだし、尊敬しているからであった。

(そして伝染し、周りの皆が『先生』呼びになったことをクリスティンは知らない)


ナイトライド氏は殴りプリーストの道に進んだので、、、


クリスティン「じゃああたちも殴りプリーストの道に進むぅ!」


とこまっしゃくれて小さい頃から(良く考えもせずに)殴りプリーストの道に進んだのである。


エメライン(双子の妹)はそうでもないのだが、クリスティンはナイトライド氏が大好きであった。


いや、エメラインの方も普通に兄として好きだった訳であるが・・・。


クリスティン「(いつも昔からあの夢を見るけれど、私は何かあったのかしら?)」


鳥人間を五匹くらいいっぺんに倒しながら、ぼーっと考えていた。



ナイトライド先生もああいうの見るのかな

っていうか何か知っていたりして?



と。


ナイトライド『こんにちは!』

急にやってくるwis(1:1対話)。


クリスティン「(!ね、狙ったかのように!)」

どきまぎする。


クリスティン『こんにちは!!』

ナイトライド『すみません、ちょっとお願いしていいですか!』

クリスティン『あ、はい! いいですよ! どうぞ!』


このふたりは本当に仲良しだ。

というか何故、ナイトライド氏は妹に敬語なのであろう?

(永遠の謎)


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クリスティン「(うぐ〜 体中が痛いわぁ)」


場所は変わって、アルベルタ(港の都市)すぐ傍の森林内。

クリスティンは森林内にわずかに生えている ハーブの樹から、葉っぱを採集していた。


ナイトライド『・・・そこで出される飲み物がハーブティに決まりまして。
採集している時間がないので、頼んでみました!』


少し前のナイトライド氏の言葉を思い出す。


ナイトライド氏はプロ大(プロンテラ大学)を出ていて、
そこのOB・OG会に良く出席している。

(ライナスとアルフォンスもここを出ているが、万年サボリ組である)


どうやらそこで、今回はこのハーブティが使われるらしい。


クリスティン「(うぇ〜ん、この姿勢、結構辛いのよね〜)」

下向いたり、中腰になったり、背伸びをしたり、、


クリスティン「(いったぁ〜い。 体がぴしぴしするぅ)」


その時。


アルドヘルム『いもむとさん!』


突然アルドヘルムからwisが飛んできた。


ハッ


クリスティン『はいっ!』


思わず直立し、上官に対してするかのように、右手を額にピシッと当てた。

(周り誰もいない)


アルドヘルムは、クリスティンがまだ殴りアコライトから殴りプリーストになりたての頃に、
亀島と呼ばれるダンジョンで一緒に狩りをしていたアサシンクロスである。

(※アサシンクロス=暗殺者職の上位職)


元はナイトライド氏の知り合いで、その縁で知り合った。


ナイトライド氏の妹、ということで「いもむとさん」なのである。


クリスティン『なんでありましょうか!アルドヘルムさん!』

亀島で苦労していた時に助けてくれた、いわば恩人である。

いつもアルドヘルムに対しては上官に対するように接するクリスティン。

(いつもいつも、という訳ではないが)


そこで訪れた、突然のプロポーズ。


えっ と思うクリスティン。


「(ああっ! そうか!)」


先日のゲフェン(魔法の都市)の道具屋でのことを思い出し、青くなる。


か、体もぴしぴし痛いのに・・・


このまま休みたいのに、、 ああでもちゃんと謝らないと!

グゥッと体を起こすクリスティンであった。


 

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