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ふたつの過去

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ふたつの記憶。。


ひとつは 加害者になったことのある記憶。

もうひとつは、被害者側になった記憶。



クリスティン「・・・・・・」


宿屋のベッドに寝っころがって、天井を見つめる。


ぎゃ


あの声


今日は、嫌悪感感じなかった

平気だった


いつもは赤ちゃんが怖いのに


そういうことなのね。



クリスティンは2つ前の前世で、アーシェの母親だった。


(※アーシェについては 過去「2つ前」参照)


クリスティンは前世でも金髪で、そして結婚した旦那は銀髪だった。

生まれた男の子であるアーシェは、旦那と同じ銀髪をしていた。


旦那にも、クリスティン、、つまり前世のクリスティンであるが
どちらにも似ていない、不思議な子だった。


クリスティンは旦那と折り合いが悪かった。

相性が悪いとか価値観が合わないとかではなく、、

きっともうこの時から、結婚などに不向きな遺伝子だとかがあったのだろう。

(何か悲劇の人だ本当に)

旦那と、いつも冷戦のような状態で 完全に仲が冷え切っていた。


クリスティンは、、

そんな「愛せない旦那」の遺伝子を引き継いでいるのを見せ付けるかのような、

見事な銀髪をしているアーシェを、、愛せなかった。


金髪だったら愛せたかもしれない。


髪ごときでそれ?


女はそういうものだ。

特に、母親は


私情を常に入れ、えこひいきを無意識にしてしまうし、

平等にしようとして特別扱いする子を作ってしまうし

ちょっとした理由で子供を叱りつけてしまうし

理不尽に当たってしまうこともあるし



母親とは、元来幼稚なものである



その幼稚な「母親」であったアーシェの母親であった頃のクリスティンは

無情にも、最終的に、、、

アーシェを「捨てた」。



お母さん、僕を捨てるの?

御免なさい、私お父さんをどうしても愛せないの
いっぱい手紙、、書くわ


手紙なんていいよ!

僕も母さんに付いていくから行かないでよ!


違うの

もう疲れちゃったの

あなたの銀髪を見るとお父さんを思い出しちゃう


母さん、僕はお母さんとお父さんの子供でしょ?

だったらお父さんの銀髪を持ってて当然じゃないか

作っておいてなんだよ!

それでもお母さんを選んでるって言ってるのに!


違うのよ!

私はそんな冷静に考えられない!

いやなの!

あの人がいやなの!

あの人を思い出す部分がいやなのよ!

それに、、あなたの目元、、話し方もそうだわ!

どちらにも似てないと思ったのに、、


あなたはあの人の方に似てる!

だから駄目なの!

どうしても愛せないの、、


母さん・・・?


ご 御免なさい

御免なさい


お、かあ さん


いやなの

離れたいの!!


ぶわぁあああっ


あの時の、花びらに囲まれていながら、、すごい涙を目に浮かべて、、

たたずんでいたアーシェ。


すごく・・・


「(すごく、、、悲しそうだった・・・)」



「離れたいの!!」


なにこれ、、


何でこんな酷いこと、、言うの、、、


アーシェは最後に叫んだ。


「捨てるくらいなら最初から産むな!」


産みたかったのよ!

産みたかったの!


当たり前でしょ



でも


でも許して


御免なさい

御免なさいアーシェ


 

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