現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

赤ちゃん

RO小説本編の目次 > 暗闇と花びらの記憶の目次
 

クリスティンは赤ちゃんが異常に苦手だった。

青い顔をする段階を経て、次には頭を抱える段階になり、

最終的にはうずくまって吐きそうな感覚に襲われる。


気持ち悪い!

思い出したくない!



思い出したくないって何を?


クリスティンは別に過去に子供を作った経験も、
例えば子供をおろした経験なども(ヘヴィだなぁ〜)一切ない。


赤ちゃんは可愛い。

小さくて、みんな、その笑顔に癒される。


子供なら平気なのだ。

子供なら大好きだ!


だけど、赤ちゃんだけは無理!


赤ちゃんを普通に可愛いって言える人たちが羨ましい。


吐きそうになる、なんて言ったら間違いなく、人からひかれるだろう。


赤ちゃんを産んだこともない
何か深い事情(赤ちゃん関係)を抱えているなら分かるけど、

そういうのがないのに、赤ちゃんを見て吐きそうって

「へん!」


そう言って、きっとみんな私を批判するわ。


クリスティンは本当に孤独だった。

この点だけ。


アルドヘルムにすら、このことは言っていない。


幸いなことに、ふたりは特殊な夫婦(手すら繋いだことのない変な夫婦。過去参照)だったため、
そういうのに全く無関係で、クリスティンは救われていた。この点においては。


「(妹のエメラインが双子の男の子を産んだ時・・・)」


あの時は本当に辛かった。


ひきつった笑いをして、ガクガク震えながら抱いて、

「落としちゃ怖いから、はいっ」

と言ってすぐにエメラインに返した。


しばらく、、「体調不良」って嘘をついて、エメラインに会わないようにしたわ・・・。


思い出すクリスティン。


やっと、、双子のお兄ちゃんのレオン君が3歳くらいになって、
それで可愛がることが出来るようになった。


「赤ちゃん」じゃなくて「子供」になったから。。


双子の弟の、クライヴ君はその頃に鳥にさらわれて、、


赤ちゃんの時、無理にでもいっぱい会っておくんだった、、見ておくんだった、、って

後悔したっけ・・・


・・・


何故、なんだろう。




ジョセフ。


エメラインの夫である。


彼は深い考察をするのが得意だ。

しかしあまりその頭を使おうとしない。

「考えたってしょうがないことは、考えない!」

そういう主義だからだ。


そういうジョセフは、「考える」と、常人では及びもつかないような、
素晴らしい構想、考え、考察が次々と浮かぶ。


推理小説などは、思いっきし集中して読めば、「犯人こいつ」とほぼ100%の確率、、とは言いすぎだが、たいていは当てる。


そんなジョセフ。


「(何でなんだろう)」


クリスティンの、赤ちゃん恐怖症にそれとなく気付き、
考えてみたことがある。


そして、分かったのだ。



だから、、

クリスティンとエメラインが仲良くしてはしゃいでいるのを見たりすると、


一瞬切なくなるが、

ばちこーん!!と エメラインの頭を後ろからはたきたくなる衝動に駆られた。


そして、

ジョセフ「(まぁ、、人には それぞれの事情があるから・・・)」

と考えることをやめ、


いつしか、クリスティンの秘密の真相なぞ忘れてしまった。

(おい!)


 

BACK「宿命」  NEXT「す、、」