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いまさら

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レオナルドは常々思う。

人様の奥さんを、奪い、自分のものにして、、

悪いことをしたと。


なんでこんな酷いことを。

何度も何度も自問自答する。


悪いことをした。すまない。

悪いことをした。何てことを。

本当に悪いことを・・・私は・・・。



生まれてはじめて欲しいものが出来た。

それで、本当にどうしていいか分からなくて。


でも!


悪いことをしたと思っている。

本当に。



家族はどう思っているだろうか。

さぞや恨んでいることだろう。


殺してやりたいと思ってさえいるだろう。



家族はとても悲しい思いをしているに違いない。



どうしてこうなってしまったのだ!


何故こういうことしか私は出来ないのだ!





生まれてからずっと、欲しいとも言わないのに

勝手に色々、ものを与えられてきた


いつしか、本当に欲しいものなぞ出来なくなった・・・



いつも ものがたくさん、私の望む望まないに関わらず、溢れていたから。



だが、突然 欲しいものが出来てしまった


オパールを溶かしたような瞳の人、エメライン

横顔は大地の女神のように優しげだった


あの人が欲しいと

そう思ったんだ


生まれてはじめて 欲しいと思ったのに

すでに他人に奪われていた。


でも私は欲しかった


だから 力づくで奪った


だってしょうがなかった

欲しかったから


でも相手は もの ではなくて 人間だった


分かっていたけど


それでも欲しかった



レオナルドは頭を垂れる


どうして


どうして私はいつもこういうやり方しか出来ないんだ。


こんな人を傷つけるようなやり方ばかり、、やりたくない!!




レオナルドは毎日毎日、頭を抱える。


エメラインだけではない。

色んな物事に対し、彼はそういう部分があった。


さすがに人の心を傷つける事象ばかりではないが・・・。


しかし最大の心の傷はエメラインのことだった。


加害者側の心の闇というのは、実はとても深い・・・。



一度でいいからエメラインの元夫であるジョセフに心から謝りたいが、

下手したら殺されるかもしれない。

(大袈裟な考えをするのはこういう身分だから)


罪悪感に押しつぶされる毎日に、すっかり参って、体中のあちこちが痛む。



エメラインはどうしても手放したくない。

でも、苦しい。

罪悪感で苦しむ毎日は嫌だ。



ローザがいるから、、

だからもう諦めようか。

愛の証が。

確かに夫婦だったという証が出来たから、

だからもう諦めようか?



ローザ「ぱーぱ、ぱーぱ」


ローザがクララに抱かれて部屋に入って来た。



レオナルド「ローザ・・・」


自分の瞳とそっくりなローザ。


エメラインよりも自分に似ている。


確実に、他の男ではなく、自分の子供だと分かる。



「(この子さえいれば、私は大丈夫なのだろうか・・・やっていけるのだろうか)」


いなくなってしまったエメライン。


場所は分かる。

想像はつく。

何処に逃げてしまったのか。


追い掛けて追い詰めるようなことは今はしない。



今はどうするべきなのか。



私は諦めきれるのか?


どうすればいい!



頭の中に、超常現象を操る少女・レンレンの顔が浮かんだ。


エメラインの娘だが、彼女の霊力の高さはかねてより有名である。


恨まれているのを百も承知で、彼女に勇気を出して聞いてみようかと思った。



レオナルド「(ビンタ、なるもののひとつふたつは耐えないとな・・・)」

目をつぶった。


 

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