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さようなら

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コツコツコツコツ・・・


懐かしい王宮内。

調度品から漂う、良い香り、、、


エメライン「(懐かしい・・・)」


コツコツコツ


エメライン「(朝日が、、眩しい・・・)」


口を開け気味にしていたが、キュッ!と結んだ。


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1時間前。


美織「じゃ、ね。
成功したらゴルゴ全巻送るから〜」


エメライン「え、いや、、
いいです;」


美織「え〜そう??

まぁいいや。頑張って!」


そう言って美織はガッツポーズをした。


美織「それにしてもこういう時ど〜してシャオイーさんいないのかしら〜」


腕を組み、辺りをキョロキョロ困ったように見渡す。


クスッと笑って、


エメライン「シャオイーさんに宜しく!」

と言うエメライン。


美織「はぁ〜い♪」


きゃんきゃん!!


美織「あら、ここにいたのね。はぁ〜い(抱っこした)行ってらっしゃ〜い」


ぶんぶん

手を振るエメライン。


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美織の取り計らいで、いい時間に下ろしてもらった。


朝の冷たいけど心地良い空気が気持ち良かった。


「(レオナルド・・・)」


エメラインはレオナルドを思った。


ガチャッ


普通に、あのドアを開ける。


「あ・・・」


レオナルドが背を向けて、書斎の椅子に座っている。


こちらに気付かないのか?


レオ・・・


ふぅ、と息を吐く。


「レ、レオナルド!」


エメラインが呼ぶ。


、、が、レオナルドは振り向かない。


「??」


どうしたのだろう。


そのまま、誘われるように、コツコツと近づいていくエメライン。


そして、すぐ傍まできた。


「(ああ、見覚えのある、あの懐かしい後ろ姿・・・)」


きゅう、、っと胸が痛くなる。


「おかえり」


くる、と振り返るレオナルド。


優しい笑顔だ。



レオナルド「楽しかった?」


え?


あ、、はい


思わず間抜けな受け答えをするエメライン。

サッと下を向く。



レオナルド「そう。 良かったね」



エメライン「あ、あの・・・私・・・」



レオナルドがさえぎる。


「分かってるよ」


え?



レオナルド「ジョセフが好きなんだろ」


エメライン「・・・」



私は・・・



レオナルド「君を、返そう」



えっ?


思わず目を見開くエメライン。


レオナルド「君に、迷惑を掛けて、、本当に申し訳なかった」


あ、あの、、、


うろたえるエメライン。



レオナルド「ひとつだけ、、分かって欲しい。
俺は、、

俺なんて汚い言葉を使ってしまったね。


俺は、君を愛している」



やめて!


エメラインは思った。

涙ぐみそうになった。


「愛していた」 ってどうして言わないの


「愛している」ってどうして現在形なのよ



エメライン「わ、私は・・・」


涙が、床に落ちる。



レオナルドは優しく言う。


「愛しているから、君を返すんだ」



本当に好きなら、 自分のためではなく


相手のために、 何でも出来るものなんだ

自分だってきっと 犠牲に出来るんだ

いくらでも・・・


ずっと気付かなかった。


ずっと私は幼稚だった


君をまるでお人形さんみたいに、、、



そして言った。


レオナルド「私を、成長させてくれて、有難う」


私は最低の皇太子だ。

最低の男だ。


レオナルド「そんな男の、、子供も産んでくれて、、有難う」


レオナルドは涙ぐんだ。




ローザは大切に育てる。


エメライン「あ・・・」


ローザ。

もう二度ときっと・・・



レオナルド「最後に、抱きしめさせてくれないか」


レオナルドは立ち上がり、エメラインを抱きしめた。


優しい優しい口調とは打って変わって、激しい抱擁だった。


身がちぎれんばかりの・・・


エメライン「殿下・・・」


レオナルド、とは言わなかった。



そして、バッ!とエメラインを思い切り突き放した。


レオナルド「去ってくれ!」


下を向いて言った。



「さようなら」




エメラインは泣きながら、「さようなら・・・」 と返した。



エメライン「さようなら!」



そのままくるっと背を向け、走って行った。


さようなら!!


さようならローザ!

もう二度と会えない私の娘!



さようならレオナルド!!


さようなら私の二番目の夫!





さようなら!!







涙が後から後からこぼれ、前がかすんで良く見えなくなる。



プロンテラの街を、人や建物にあちこちぶつかるのも構わず走った。


走って走って、、、、


そのまま大きな樹に、、、

座った。


樹にすがって、泣いた。



「さようなら」






 

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