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あの日から変わらず

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これは エメラインがアコライト、 ジョセフがナイトだった頃の話である。

(※アコライト=初心者聖職者、 ナイト=騎士)


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エメラインは昔からジョセフが大好きだった。

ペコペコ(騎士が騎乗する鳥)を見るたびに、

あ、あのペコペコはジョセフの! と思って


「ジョセフーッ」と ぴょんっ と抱きつく。


ジョセフはその様を無視していた。


慣れていた、、というべきか。



あまり好きだと言うので、


或る時、


「そんなにさ、好きっていうなら、、証拠見せて欲しいんだけど」

と言った。


証拠?

考え込んだエメラインは 高級紙に「I love you」 と虹色で書いてジョセフに渡した。


ジョセフは紙を見つめ、

「ありがとう」

と言って、

丁寧に折りたたんだ。


呆れているように見える彼の顔に焦って、


「へ、変だった?」

と聞くエメライン。



「いや・・・」

ジョセフはそれだけ言った。



で、、

次の日。

目に涙をためたエメラインが がしっ と裾をつかんできた。



ぎょっとしたジョセフが固まっていると、


「き、嫌わないで、、、」

と言ってきた。



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ジョセフは日が経つごとに、イライラしてきた。


ジョセフ「(莫迦にされてるみたいだな)」


実際はそうじゃないのだろうけれど、
状況的にそうだろう。


別に、だからどうという訳ではないけれど
ちゃんと示して欲しいと思った。


論より証拠、とでも言うか・・・。


ジョセフ「(口ばっかりなんだよなぁ・・・)」



昔はしっかりした娘だったのに、俺に会った途端にふにゃっとした子になったというか。

ハァッ

ため息が止まらないジョセフであった。


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プリーストになったエメライン。

(※プリースト=聖職者)


エメライン「これでジョセフを誘惑(?)しやすくなったかもーv」

と、「こいつはプリーストになんてなってはいけない!」
的なアホなことを考え、空想にふけっていた。
(近づくな危険)


さて、
エメラインは記念日なるものが好きなのだが、、

当然の如く、
ジョセフとの記念日をたくさん作っていた。


初めて会った記念、初めて狩りをした記念、
初めて○○ダンジョンに行った記念、、、


たくさん、手帳に、ジョセフとの記念日を書いた。


そして「結婚記念日ーv」

と、

まだ結婚していないのに、お気に入りの日に勝手に作った。


この日はどうしようかな?

アイスに「marry me」って書いて渡すとか〜

ペコペコを鳥質にして教会に誘い込むとか〜(※犯罪です)


エメラインはニコニコしながら頭の悪い空想をした。


絶対ジョセフとこの日に結婚してやるっ!

そう思って意気込んだ。


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12月。

ルティエ(雪の街)の教会で結婚する、ひとつのシーズンの到来の月である。


もうすぐだな〜 とわくわくするエメライン。

対し、日に日に表情が険しくなるジョセフ。


待ちきれないように、日を一日一日数えている日々のエメライン。


・・・そんな時、或る夜にジョセフに手をグイッと引かれて教会に連れて行かれた。

珍しくペコペコに乗っていない。


エメライン「(あれ?記念日まだなのに!・・・っていうかあれ?)」


ジョセフが私と結婚したいとも思えないし・・・


ハテナマークのエメライン。

エメライン「(ひょっとしてプロポーズ?やだっ どうしよっ!)」

とも期待する。



教会に、バタンッ!と入れられて、そのまま突っ立っていると、


ジョセフ「あのさ・・・」


沈黙の教会の中で口を開くジョセフ。


ジョセフ「前に、、証拠見せて、って言ったよね」



来た来た来た!


プロポーズぅぅ!

エメラインは踊りだしそうな気持ちを必死でこらえた。


 

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