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明るい月

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エメライン「それにしても」

ん? と美織がシースー(下界を見ることが出来る装置みたいなもの)から目を離した。


何故、そこまで親切なのですか


頭の悪いエメラインらしからぬ台詞が出てきた。


エメライン「お、お世話になりっぱなしで、、突然来たのに。
任せてよ、とか言ってもらえたり」

両の手のひらを こすこす さすりながら恥ずかしそうに言う。


美織は、

「えっと、、 いつもシースー これね(指をさす) で、様子を見せてもらってるから・・・
見てるだけ見るじゃ失礼だから、、
力になってあげたいと思って」


見てるだけじゃ フェアじゃないでしょ?と言う。


やっぱりレオン(長男)にそっくりだ、、とエメラインは思った。


正々堂々、絶対に卑怯なことはしない。

常にフェアで、逃げも隠れもしない・・・



・・・エメラインは何となくレオンが恋しくなってきた。


エメライン「(一番最初に出来た子。
ジョセフとの愛の証だった・・・)」


愛の証・・・


いや。

ふたりいたんだ。

そうだ。二卵性双生児だったから。


レオンと、クライヴ。


クライヴは3歳までしか一緒にいられなかったけど・・・


猫好きのクライヴ、

そして正義感の強いレオン・・・


「(・・・私にも 対(つい) がいたのね・・・)」


何となく、ぼうっ とそんなことを思う。


「ママ!」

突然、頭の中にレンレンが浮かんでくる。


空を見上げて、、舞い散る桜の中で出来た子、、

類まれなる霊力で、太古に存在したソウルリンカーの上位職の上を行くと神父様に言われた・・・



レオン、、 凛としていて正義感が強くて。

そこがいいのか 女の子にすごく人気があって。

「(でも全員蹴散らしていっちゃうのよね)」

(怖い)


クライヴ・・・

あの子は猫好きで優しい子だったわ。

でも何故かしら、、聖職者の道には行っていない気がする。

幸せよね、ずっとお腹の中にいたから、、そういうのは分かるわ

(そういうのはあるらしい・・・)


レンレン、、、

あなたは強大な霊力を持っている。

神父様に強く強く言われたわ・・・。

10歳以上体は成長しないけど、、でもあなたの素敵な人生を送ってね
ママは応援しているわ、、


(でも何故、この(この)エメラインからまともな子供たちが、、)


エメラインは、、下を向き。


すぅっと顔を上げて。

目をつぶった。


次々と思い出す、、我が子たち・・・


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エメライン「(レオン・・・クライヴ・・・レンレン)」


そして「ローザ」



ローザを産んでしばらく経って、、

或る日自分の心臓の鼓動が聞こえるくらいドキドキしながら
王宮から、、 逃げてきた。


化粧室に居たクララのエプロンの中に鍵の束があった。

エメラインはその中で、鍵、、必要な鍵と思われるものだけをじゃらじゃらと取っていった。


ドキドキドキドキ


戻ってきたクララは気付かずにそのままエプロンを付けて
どこかに行ってしまった。


ドキドキドキドキ


私は王室の人間だ。

一般人が知らない、崑崙山への行き方を知っている。

そこだ!

そこに逃げ込もう

とりあえず、、、


あの日の夜の冷たい空気、明るい月は忘れない。



エメライン「(みんな元気・・・な訳ないよね)」

迷惑掛けちゃってるよね。

しょぼーんとする。


子供たちはどうなってるだろう。



エメライン「ローザ」

エメラインは思わずつぶやいた。


レオナルド似の花のように美しい子だった。


産んだ時はくしゃくしゃだったのに。


まるで妖精のように可愛らしくて。



でも


二度と会わない。


エメラインは自分の意志が固いことを知っている。


 

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