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雨が降る

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はーぁ、バラ風呂気持ち良かったあぁv


エメラインがバスタオルを巻いて浴室から出てきた。


やっぱり、、お風呂入ると体調変わるなぁ

そう思いながら少し笑顔で部屋に戻っていく。



エメライン「ふぅ〜」


バラを摘んでいたのは、お風呂に使うためだった。

また摘みに行ったとき、、ジョセフ(元夫)に会えるかな?

いや、、会ってくれないか。彼の性格だもの。



彼女のお腹の子は女の子だと分かった。

ローザ、という名前が事前に付けられた。


妊娠中、特に香りをかいでも気分も悪くならず、心を落ち着かせてくれ、
常々お風呂でお世話になったバラ。

そのバラからのネーミングである。


ローザ、は、バラの妖精の名前である。



そもそも私はすでに、昔に息子を失っている。

失うと言っても亡くなった訳ではないが・・・

双子の男の子の片割れだった。



エメライン「(何故こうも、極端に子供運が薄いのかしら)」


父親が違うとか 失っているとか


余程、前世で悪いことをしているとしか思えない。



それにしても、、、

たまにお腹を蹴るこの子。


母親が実は帰りたい家庭があるなんて知ったらどうだろう。

心を閉鎖した子になるだろうな。


子供に罪はないのに、、どうすればいいのだろう。


初めから育てないつもりではいるのだが
(別の人間、乳母などに育成を頼むことで情が付かないようにしようとしている)


そんなこと可能なのか?

会いたくなってしまったらどうするのか・・・



君は、、殿下が好きなの?


あの日のジョセフの台詞が頭をもたげる。



わっかんないママねぇ。パパはねぇ、女なら誰でもいいのよ


レンレンのあの言葉も忘れられない。



ふっと思い出した。


意味不明で不条理な大人の理屈やら事情。

そういうのを見てきて、

「こういう大人には絶対ならない!」

なんて思ってきた、子供の頃。



でも 大人になった今はどうか?

まさに「こういう大人」、、というその大人、に なっているのではないか。


ローザ、、が生まれたら。

「こういう大人にはならない!」

とか思われるのだろうな。


わたし、「大人には大人の事情があるのよ!子供には分からないのよ!」

なんて絶対押さえつけたりしない!

「御免なさい!」って言う!

いつだって、子供の方が被害者だもの


そんな風に考えている自分もまた、偽善者だとも思った。


エメライン「(いい人になりたい訳じゃないけど・・・)」



びしゃああぁぁ


心の中を表すように、外はすごい雨が降っている。



エメライン「(・・・何と言われようと私はジョセフが好き。
でも、、それで幸せになれないとか、、どうも出来なくても、、
いいや)」


激しい雨は、自分の心の葛藤にも、、或いは言い様のない怒りにも思えた。



いや待て。
な、何故だ?
何故・・・愛してもいないのにそんなことがある。
ばあやから聞いた話では、そのようなことはないはず・・・



ぎくり


変なことを思い出してしまう自分。


ジョセフだけを愛しているはずなのに

どうして、、、?

あれ??


でもそういう気がする。

確かに好きじゃなければ子供なんて絶対出来ない!


・・・と思う。

何となく



「このっ このっ!

尻軽ぅううう」


エメラインは頭が悪そうに両のこぶしでばしばし自分の頭を殴った。


きっと、好きじゃなくても子供出来ちゃうんだ。

残念だけどそうなんだ。

子供は可哀想だけど きっときっとそうなんだ!!


都合良く考えようとするエメライン。



ふと、、パッと頭に浮かんだ人。


レオナルドの義理の妹、メイチー。


メイチーさん


忘れられない。

いつも笑って、色々視てくれた。

「(また視てもらいたいよ)」


外の雨は、 しとしとしとしと・・・  メイチーに会えない自分の涙雨のように思われた。


 

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