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手を取り合えばもう

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レンレン「そういえばさぁ」

アルフォンス「ん?」


モスコビアの室内。

アルフォンスは薪を暖炉に入れ、レンレンは料理中である。


レンレン「メイチーさんがいつもしてた、胸元のブローチ、私も欲しー!」

ぎょっ、とするアルフォンス。


アルフォンス「ばっか。アレは王家の人間しか付けられない、紋章だぞ」

びっくりするレンレン。


レンレン「っえー!」

アルフォンス「ブローチだなんて畏れ多いっ!」


レンレン「王家の人間って・・・
あー そういうこと」

全てを悟るレンレン。


説明しなくてラクな子だなーと思うアルフォンスであった。


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場所は突然変わって、

アインブロック(鋼鉄の都市)である。



ジョセフ「ごほっ ごほっ」

ライナス「砂塵? ・・・スモッグか。何て言うのか分かりませんが、、喉に来ますね。肺にも、、」

ジョセフ「ですな」


ここを選んだ理由は、勿論人目に付きづらいからである。


労働者たちはわざわざ、人の話を詳しく聞き耳を立てて聞いたりしない。


秘密の話をするには持ってこいの場所であった。



ジョセフ「しかしそんな秘密があったとは・・・」


ライナス「ジョセフさんには是非お話しておかないとと思いまして」

ジョセフ「それはどうも有難う御座います」


複雑そうに見ていたルナティックステーキだが、案外イケる。

はぐはぐ食べるライナス。


ライナス「とりあえず、気持ち悪い謎が解けて良かった良かった」

ジョセフ「そうですな」


ジョセフの好物はひつじ肉とチーズのグラタンのようだ。


ジョセフは思い出したように言う。


「そういえば」

ライナス「?」


「何故、メイチーさんは「行方不明」なんて言っていたのだろうか」

シャオイーさんを。


ライナスは言う。

「そう言って、人目を避けようとしてたみたいです。
行方不明者っていうと 興味を持つ連中もいるが、たいていは気味悪がりますからね」


そうだろうか とジョセフは思う。

行方不明、だと言って待つ女を演じたかったのではないだろうか。

で、やっと会えて、嬉しいみたいな。

そういう気持ちを味わいたかった的な


やっと会えた時に嬉しかった、、エメラインとの、、あの瞬間を思い出して・・・
ジョセフは思った。



ライナス「時に、奥様(?)はお元気ですか」


ジョセフは ん? とした顔をしながら

「もう 奥さん ではないですよ」

苦笑しながら言う。


でもレオナルド皇太子の腹違いの妹がメイチーさんだから、、

メイチーさんが何とかしてくれるんじゃないですか?


無責任にそんなことを言うライナス。



もう、「結婚」という枠には入らなくてもいい

そういう境地に入っていることを、ライナスは知らない。



レンレンとアルフォンスもそうであるように。

恋人だとか、夫婦だとか。

そういう「枠」で男と女を縛っても、あまり意味がない。

ふわり、と自然に、好きあっていれば、いつまでも、いつまでも、一緒にいられるのだ。

隣にいなくても。

手を合わせなくても。

口付けをしなくても。


ただ、優しく、手を取り合えばもう、それだけでいいのだ。

それが忘れられない、想い出になる。


本当の恋人は、そういうものであるのかもしれない。

今と違って。。


(了)


 

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