現代ファンタジーのオンライン小説 - ものもの

禁呪

RO小説本編の目次 > 茶色い犬の目次
 

どうしても後を追いたかった。

駄目なのに。


アレクシスは何をしていたのか?

人数が多かったから・・・

狩りをしていたか、観光に来ていたか、、

或いは地質調査?かもしれない。



ずっと忘れられない、想い出の人。

決して、触れてはいけない人。


なのに、どうして追い掛けてしまったのだろう。

勝手に脚が動いてしまった。

どうにもならないのに!


私はいつも胸につけている。

この金の、複雑な模様をしたブローチ。

本当はブローチではないけれど。

それが目印だった。

いつもそれで遠くからでも私だって分かってもらえた。


今回も!

今回も・・・ 分かって、もらえるかな

私はここよ。

このブローチを見て



・・・


空中に舞う。


油断していた。

崖から落ちてしまったのだ。


誰も私に気付かなかった。


そんな時、偶然通り掛ったというシャオイーさんに助けられた。


半死半生の傷を負い、数日間生死をさまよった。


数日経ち、、

シャオイーさんが偶然通り掛ったのではなく、心配してこっそり私の後を付けていたことが分かった。


こいつはすぐに優しくされたら(特にウィザード男)ホイホイ付いて行く!

そう見抜かれて、嫌な予感がして付いて来たらしい。


感激して、、


そしてアレクシスを、、完全に諦めるようにした。


忘れなきゃ!

忘れなきゃ忘れなきゃ!


うう


やだよ!

アレクシスぅう


・・・


ひとしきり泣いて


そしてやっと落ち着いた。


シャオイーさんはずっと見守っていてくれた。



寝かされたベッド。

包帯だらけの体で、、時には目をつぶり、

時には目を開けてぼーっと天井を見た。


シャオイーさん、有難う



ひとつの決心をした。


もういい


私はもうシャオイーさんに捧げよう


傷がすっかり癒え、ハイウィザードになった。


シャオイーさんをあの奥地に呼んだ。


人に見られたら面倒なので、、手当てを受けたあの小屋に入り、

誰もいないのを確認して、鍵を閉めた。



メイチー「そうして、『禁呪』を授けたのよ」


自分の命と引き換えに。


---------------------------------------------------


禁呪。


アーロン大帝よりも前の時代の、滅びた、強大な魔法である。


き、禁呪持ち???


ライナスは腰が抜けそうになった。


信じられない。

たまにそういう人が出るのは知ってはいたが。


ライナス「(でも、、何かこの人は、、不思議な何かを持っているって感じてはいたんだ)」

野生のカンだろうか。

通常は霊力が高いのは女性だが、シーフ系職の、しかも最上位職のシャドウチェイサーは
いわゆるところの「カン」が鋭い。

(霊力とは少し違う)


メイチーは寂しそうに笑う。


色んな種類の禁呪があるけど


「私のは、不老不死を授ける禁呪なの」


ライナス「・・・ということは」


シャオイーさんは、今 不老不死になっていると。


もう、いいの


あの日、消えてしまう命だったのを、あの人が救ってくれた


「だから、私の命をあげたの」


---------------------------------------------------


シャオイーは禁呪を受け、不老不死の身になった。

永遠に老いず、永遠に生きる・・・

無限の知恵をこの世から受ける、、

そんな存在として、、

この世をさまようことになった。


そのままいれば、間違いなく怪しまれるため、彼はずっと長い間人目に付いて訝しがられる、などのトラブルが出ないように、
アルベルタから出ている船で行く島のどこかに行くことを余儀なくされた。

もちろん、ずっとそうしている訳ではないが・・・。


彼は恨んだか?


マイペースな彼は「まぁ、これもいいんじゃない?」と楽しんでいるらしい。


何より、メイチーが授けた力である。

ふたりの絆は永遠になったのであった。


 

BACK「正攻法」  NEXT「王家」