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バラ園―2―

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アーチの形をした木の枝が上に広がっている、木で出来たベンチのような腰掛けのような

そういうところに座る ジョセフとエメライン。


・・・ていうことを


エメライン「色んな人に言われたの・・・」

ふぅっとうつむくエメライン。


何と言っていいか分からないジョセフ。


エメライン「いいの別に。見返りを期待するのは男の仕事で。
私は女だし」


アホなエメラインとも思えない発言が飛び出す。



あのね


エメラインは大事なことをジョセフに告げた。

ジョセフは無言だった。


「心はあなただけなのに」

「・・・だったらそれはそれで、、お腹の子は母親に愛されないことになるわ

私は・・・」



長い無言。


それが、答えだった。




でも聞いて!

叫び声のような声。


思わずジョセフも身をたじろがせる。


「わ、わたしは、、

け、決してあなたを裏切ったつもりは・・・」




沈黙。

無言。




しばらく


何とも言えない空気が漂った。





「もうそろそろ帰ります」


ジョセフは すっく と木の腰掛けから立ち上がった。


はしっ

ジョセフのマントをつかむエメライン。



「やだぁ

やだよぅ


いかないでよぅ」



うげっ



・・・




木の腰掛けでは、

エメラインが満面の笑みでジョセフの背中をぎゅ〜っと抱きしめていた。

(数分後)


ジョセフはこういうのが大嫌いである。


しかし、トンカチで壊されてしまったのだ。



甘やかしてはいかん。

身を引き締めた。


「君は、殿下が好きなの?」

きつく、そして呆れたように言い放つ。


「有り得ないわ!」

即座に答えるエメライン。


・・・


もう考える面倒臭えぇや



ふと何気なく目が合った。

オパールを溶かしたような、不思議な瞳のエメライン。


・・・


不思議な領域が出来たみたいだった。

リトル・コスモスみたいな。


聡明なジョセフは分かった。


「(分かりました)」


エメラインの心がいつまでも自分だけにあることを。


 

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