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バラ園―1―

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プロンテラ某所。

のんびり〜っとドラゴンに騎乗しながら、パンを咥えて朝の散歩をするジョセフ。


朝もやがわずかにかかっていて、心地良い。

こんなに気持ち良い想いはいつ振りだろう。


フーッ

思わずため息が出る。


その時だった。



「お待ち下さい妃殿下!」


うえ?

人がいたのか。

ん、、これは。



うっすら漂ういい香り。



「大丈夫、本当に大丈夫だから」


どこかで聞いた声。


「でも、お手でもお怪我なさったら!」


「大丈夫だったら! 本当に大丈夫」


「もう、、何かあったら私の責任になるんですからねっ!」


「大丈夫。隠しておくから!」

「そういう問題じゃ・・」


「大丈夫だったら!」



思い出した。この声。


エメラインだ。



長らく聞いてなかった懐かしい人の声。

ジョセフは驚いた。


そして結構長く忘れていた?ことも思い出した。


キョロッと辺りを見回す。


ジョセフ「バラ園?」


いい香りだと思っていたのはバラの香りだったらしい。


召し使いと思われる女性はぶつぶつ言いながら奥に引っ込んで行った。


エメラインはいそいそとバラを摘んでいる。


ジョセフ「(何をやっているのだろう)」



見つからないように隠れていたが、、

何故隠れる必要があるんだ、、


変なプライドが頭をもたげ、

キッとした顔をしてエメラインの元へ行った。


かさっ



エメライン「・・あ・・」



エメラインの目が大きく見開かれた。


ばさっ ばさりっ


摘んでいたバラの花々が派手に落ちた。


大輪のバラのような、美しいエメライン。

懐かしさで胸がいっぱいになるジョセフ。


対し、

じわ〜っと涙をためたかと思うと、、


エメライン「っう"っ、、、あ"う"−っ!」


すごい声を上げて、ジョセフに突進していくエメライン。



ジョセフ「(いっ)」


いつものが来たー!っ


くっ!と身構えるジョセフ。


エメライン「ジョ"ゼブぅぅうぅぅー!会いたかったー!会いたかったおおぉ」


エメラインは思い切りジョセフに抱きついた。


たらりとするジョセフだったが、久し振りの儀式?にやれやれ、、と懐かしむ。


「久し振りですね」

その言葉をさえぎって、エメラインがえぐえぐしながら言う。


エメライン「あ、あたしね、あたしねっ、ジョゼブ」


泣いているので言いにくそうだ。


エメライン「女なら誰でもいい、でもい"い"の。ジョセフの奥さんってだけでい"い"から!」

ジョセフ「・・・?」


何でそんなに泣けるんだ、というくらい泣いている。

子供みたいだ・・・と思いながらジョセフはエメラインがやっと落ち着いた頃合を見計らって聞いてみた。


ジョセフ「女なら誰でもいい、って何だろうか」


エメライン「あ、いけない。ここじゃ目立つから、こっち来て!」


強引に手を引っ張られ、「む?」と思いながらも或るところにズルズルと引っ張っていかれる(ドラゴンと共に)ジョセフ。


 

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